Chapter04-05

記録者: Visitor (ENo. 31)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-31 04:00:00

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「もしそういう事なら──……」

あなたの答えを聞き、何か考え込むように魔女の弟子が視線を外す。
思考に入り込もうとしたところで、ふ、と何かに気付いたか
言葉を止めて部屋のある方──先の時にも見ていた方に目をやって、あ、と小さく零した。

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「……次の問いが最後みたいです。
 ほらあそこ……見えませんか?」

魔女の弟子が指し示す方には何も見あたらない。
〝あちら側〟の椅子に座った者にしか見えない、
カウントなのか、時計なのか、何があるのかは分からないが、
何にせよ次のトイカケが彼の最後のトイカケだろう。

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え、えーっと……何の話でしたっけ……。
 ……この部屋の話でしたね」

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「……この部屋がどういう目的のものか。
 あなたの言った通りかも知れないし、
 もしかしたら全くの的外れでもあるのかも知れない。
 答え合わせは僕たちには出来ないのが、ちょっともどかしいですね」

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「……ただ、この部屋が
 誰かが僕たちを見るためのものであった、なら──……」

魔女の弟子は、何かを見ようとするように顔を上げる。
自分たちを見る目を見ようとするように、部屋を斜め上に見上げていた。

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「あなたは……
 この白い部屋に“最後にひとつ言葉を残す”としたら、何を言いますか?


──あなたはこの部屋に言いたい事はありますか?

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「……僕だったら、そうですね」

一度唇を結び、考えを整えるように胸の前で指先を揃える。
迷いと、少しの怖さと、でも確かに自分の言葉を選ぼうとする意志がある。
言葉がまとまったか、再び観測者を探すように顔を上げた。

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「僕たちを選んだ理由が、どうか“意味のあるもの”でありますように」


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「……あ、次に誰かを呼ぶときは。
 その人が怖がらないようにしてあげてくださいね~……」


なんて緩い言葉を添えて、はにかみながら
あなたはどうですか、と視線が問い直した。
Answer
どうやら今回の問い掛けも終わりに近付いている様だ。とは言え、質問者の言う最後の問い掛けは、今までのパターンとしての意味でしか理解していないだろう。
今回の質問者はこの部屋についての様々な憶測を並べ、思考を巡らせていた様で男の方も興味や関心があるものがテーマとなっていた為退屈もしなければ、苦痛すらも感じていなかっただろう。
しかし"今回は最後に一つ言葉を残すとしたら"と問われた以上、あまり無駄な事をとやかく言わずに手短に済ませるべきかと判断した様である。
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「もしこれを見ていらっしゃる方がいるのならば……真実を知ったのであれば」

この部屋での今までの出来事に対し、何かに勘づき男の持つ真実に一歩近づいたであろう人間たちに告げる一言。それはこの部屋に来た当初から、告げる事が確定していたかの様に捉えられても不思議ではない声色で口にされただろう。
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「口を噤め」

目を瞑らなくとも、耳を塞がなくとも構わない。口を噤んでいる限りは、それらを許すと言うのだろう。