Chapter04-03

記録者: Visitor (ENo. 31)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-28 04:00:00

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あなたの返答を聞き、魔女の弟子はふんふんと頷いた後に
やや深めに折り目正しく頭を下げた。

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「参考にさせていただきます。
 ……やはりこうやって他人から意見を聴くのはいいですね」

それからある方へと視線をゆるりと動かして、
何かを確かめた様子で頷いた。
あなたが其方を見ても、そこには何も無かったろう。

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「……もう少し問いが必要みたいですね。
 そしたら、……そうだ、さっきも気になった事なんですけれど……」

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「……あなたは、この部屋はどういう目的で
 存在している……と思いますか?


──あなたはこの白い部屋が何故存在していると考えますか?

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「……やっぱり、この部屋が
 ただの“精神世界の一角”とは思えないんです」

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「誰かが意図的に“何もない空間”を作ったとしか思えないんですよね。
 ただ……僕の知る限り、こんな精密で、安定した“無”で、
 しかも異世界とこうも接続を維持できる魔女はいません」

息を呑み、小さく首を振る。
その瞳に、不安とも好奇ともつかない火が灯っていた。

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「この部屋があるのは、仮的にひとを閉じ込めるため?
 知能や能力や思考性格を試すため?
 それとも……僕たちの“反応を見たい”誰かがいる、とか……。

 この部屋、“意図”だけは確かに感じるんです。
 悪意かどうかは分かりませんが……“呼ばれた”感じがする、というか──」

魔女の弟子は少し早口になりかけて、はっと息を整えた。

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「すみません、少し興奮しました……。
 ……あなたはどう考えますか?
 この部屋の“目的”をどう感じましたか?」

Answer
問い掛けの内容は元々疑問を少なからず感じていたものばかりであったのか、男にとって表情こそ今までと余り変わらぬものの、内に秘めたものは確かに燃える様なものを感じているのかもしれない。
出来ることなら質問者とこの部屋の事や、それ以外にも興味の共通したものを議論してみたいとは思っているだろう。
しかし、今ここで意見を提示し議論を重ねたとしてもそれはそれである、と内心感じている様だ。それが正解か、等はお互い知る由もないのだろう。
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「恐らく貴方の挙げた考えも、私の考えているものも、単なる憶測でしかないのではないかと……回答は創造主本人に訊く方が早いと思いますね。尤も、当の本人は何者なのか未だに明らかでは無さそうですが。」

この部屋を創造した本人に直接問うてすらないのであるならば、ここで招かれた人間がいくらこの部屋や創造主の目的を考えようとも、それは確定した回答とは言えるものでは無い、と言うものが男の解釈なのかもしれない。
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「しかし先程貴方も仰っていた通り眠りにつく、という行為でここへ辿り着いたと言うのは、若しかすると共通している可能性は高い気はします。私もどうやらその様でして」

元の世界に戻る時は必ず目が覚める感覚を、この男も経験している様だ。つまりこの部屋に居る時は眠っている時なのである、と仮定する事は出来るのだろう。
しかし今、この部屋が夢と即座に確定させる事は軽率であるという考えも無いわけではない。夢にしては、今までの事をはっきりと思い出せる程には、男の方の記憶は鮮明であると言えるからだ。
そもそも、創造主と監視者は同一人物なのかと言うのも一切不明である。創造主側の思惑は無く、監視者の方が立場が上であり指示をされていただけだとしたら……?その可能性と言うのも否定はできないのだろう。
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「この部屋を創造し、監視している者は疑問に思っている事かもしれませんよ?こうしてこの部屋が存在している理由、またこの部屋の目的を問う者がまさか本当にいるのか、と。その双方が別人だとしても、その疑問は変わりないとも考えられますね」

この部屋の目的や存在意義を問う者が居ないと予測はしていないのだろうが、それでも創造主や監視者がこう言った問い掛けをする人間達が存在していると言う事に、何の反応も示さない様には到底思えない。……その様子は姿同様お目にかかれることはないのだろうが。
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「ですが例えばこの問い掛け、若しくは回答と言うものに対し当の創造主や監視者は、本当に必要となされているものなのでしょうか?それは真実の回答を求めているのか?ましてや回答を知る目的とは?こちら側の疑問も尽きませんね」

しかし疑問と言うものは次々とこう湧き出るものなのか、とも不思議に感じられた様だ。
先程からだが男の回答よりも疑問の数の方が上回っている様にも見受けられる。
この部屋とその創造主の双方は、完全なる男の意見としての回答を求めると言うのか?
そう簡単にはいかないだろう、と言うのは今までの回答からして予測は出来そうだが……。