Chapter03-fin

記録者: Visitor (ENo. 31)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-24 04:00:00

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あなたの話を聞き終えて。
変わらぬ体勢と手の仕草のまま、女はふっと笑った。
その笑いは小さく、肩の力を抜いたような、けれどどこか柔らかい余韻を含んでいる。

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「……うん。なんかちょっと、
 スッキリしてきたかもな」

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「とかまー……うだうだ考えても、
 結局変わらない毎日がまた続くんだけど、さ。
 こうやって……無益かも知れなくても、考える事って、やめちゃ駄目かもなって思うんだ」


手元で絡めた髪をそっとほどきながら、軽く肩をすくめる。
視線は遠くに漂わせつつも、ほんのわずかにあなたのほうを向いている。

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……ここまで話して、完全にウチの妄想だったとかだったら
 恥ずかしいな……。ま、いっか


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「あー……そろそろ目が覚める気がする。
 じゃーね、クロ。またどっかで会えたらいーね」


ふあ、と女が欠伸をひとつしたのに合わせて、あなたの視界もぼやける。
まるで風に吹かれるように、白い空間の輪郭が溶けていく。
重みに耐えかねてひとつ瞬きをした後には、もうそこに人の姿は無かった。

それで、次に瞬きした後には。
あなたはあるべきところに戻っていたのだろう。

ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
また、目が覚めたらいつもの生活の場としての部屋が目に映っていた。結局の所、戻ってくる時は同じ部屋なのである。
台所では普段通り助手が食事を作っている様だった。昔はそんな光景と言うものは考えられなかったが、今では見慣れたものだ。
今回の質問者の問い掛けは理解し難いものが更に多く、前回よりも長く感じられた。それは最後まで理解する事は出来なかったのだろう。
あれくらいの年齢の若者にはあの考えの人間が多いのだろうか?そうであればこの先も、余計な悩みを多く持つ事になるのかもしれないとも考えられた。
しかし、彼女の言っていた"無益かもしれなくとも、考える事は辞めてはいけないのかもしれない"と思うのは男も同じなのだろう。人間、考える事を放棄したらそこで終了……時を止め、成長を止めてしまうのではないだろうか?そうなっていった人間の進む道は、感情どころか好奇心や興味と言ったものすらも感じられる事の無いもの……心を失った様な存在にもなり得る可能性は無きにしも非ずだ。
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「……考える事を辞めなかったからこそ人間はこうして進化し、今でも生存しているのではないかと思いますよ」

それは人間だけでは無く、現在生き続けている種族全てに言えることだろう。
それにしてもあの時感じた頭痛は一体何であったのか……また、同じものを経験するのだろうか?
何故かは分からないが直感は囁く。
いつかそういったものが来る、と警戒しながらこの先またあの場所での問い掛けに挑むのだろう。
しかし、いざそういった問い掛けが来た所で、己の無力さに打ちひしがれるだけなのかもしれない……男はいつもの様に食事が出来るのを待ちながら、内心そう予想しているのだろう。