Chapter02-Fin

記録者: Visitor (ENo. 31)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-14 04:00:00

クリックで開閉
icon
「そっかぁ……そういう音を持ってるんだ、君って」

足をぶらぶら揺らし、胸元の笛が軽く揺れる。
その小さな揺れは、まだ奏でられていない何かを予感させる。

icon
「ね、楽しかったよ。君の音、ぜんぶ新鮮だった。
 僕の知らないリズムで、知らない色で響いてて……」

icon
「──君の曲、きっとまだ続くよ。
 途中で休んだり、音を外したり、急に転調したりしてもさ。
 それでも“君だけの曲”になるんだ」

ゆるりともたげた手を、ひとさし指を
あなたに向けてはくすりと笑う。

icon
「だからね、止まらないで。
 君が止まったら、その続きの音、誰も聴けなくなっちゃうからさ」


そうして少年は揺らしていた足を床に着いて、
ひょっと立ち上がった──ように見えた。


──向かいの椅子には誰もいない。
目に鮮やかな少年の色彩は、もうどこにも認める事は出来なかった。

……あなたも意識して目を閉じれば、あるべきところに戻れるだろう。


ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
いつも通りの見慣れた部屋。男以外誰も居ない静まり返った部屋で、以前と同じ様に煙草に火をつける。
icon
「……」

それにしても良い性格のお子様だった、とでも考えているのだろう。
大人と言うのは死んだ曲を流している、等と言っておいて最終的な答えがそれとは。……分からない。それに少年には、男の回答が何一つ響いていなかった可能性が高いと見えただろう。
少なくとも、男の回答の様なものを求める人間も僅かである可能性が高い。ましてや似たような発言をする者なんて更に少数……いや、それ程にも満たないのだろうか?そもそもあれを回答と言っても良いものなのか。
何はともあれ全て皮肉で返されたのか、それとも気を遣っただけなのか……男にとってはどちらでも構いやしないだろう。
そういった行動だけは一人前、の子供……いや子供ではなかったのかもしれない。
そしてまた、いつも通りの日常を歩んでいくのだろう。
icon
「……本当に音というものは、存在していたのでしょうか?」

最後に疑問は残るが、それが判明する日は来ないのかもしれない。