いつも通りの見慣れた部屋。男以外誰も居ない静まり返った部屋で、以前と同じ様に煙草に火をつける。

「……」
それにしても良い性格のお子様だった、とでも考えているのだろう。
大人と言うのは死んだ曲を流している、等と言っておいて最終的な答えがそれとは。……分からない。それに少年には、男の回答が何一つ響いていなかった可能性が高いと見えただろう。
少なくとも、男の回答の様なものを求める人間も僅かである可能性が高い。ましてや似たような発言をする者なんて更に少数……いや、それ程にも満たないのだろうか?そもそもあれを回答と言っても良いものなのか。
何はともあれ全て皮肉で返されたのか、それとも気を遣っただけなのか……男にとってはどちらでも構いやしないだろう。
そういった行動だけは一人前、の子供……いや子供ではなかったのかもしれない。
そしてまた、いつも通りの日常を歩んでいくのだろう。

「……本当に音というものは、存在していたのでしょうか?」
最後に疑問は残るが、それが判明する日は来ないのかもしれない。