
ラナンキュラス
『――愛玩動物を一匹、飼っておりましたの』

ラナンキュラス
『理由などございませんわ。ただ、偶然、そう、本当に偶然、わたくしと出会いましたので。気まぐれに拾ってあげた、ただそれだけの話ですわ』

ラナンキュラス
『……それから色々ありまして、その愛玩動物を大魔王に任命する事にいたしましたの』

ラナンキュラス
『わたくしの影武者として、表向きの元凶・黒幕として……』

ラナンキュラス
『けれど、彼は大魔王という役目を果たす事ができませんでしたわ』

ラナンキュラス
『所詮は畜生、わたくしの影武者にも、表向きの元凶・黒幕にもなりませんでしたの』

ラナンキュラス
『やはり、わたくしという存在になるのは、わたくしにしかできませんのね』
『……』

ラナンキュラス
『ノイ、あなたは今、幸せかしら?』