それまでニヤニヤと軽薄に笑っていた表情を引っ込め、真顔になる。
ふとそれに気づいて少し顔に触れて、肩をすくめてまたいたずらっぽく笑う。

「そうだねぇ。誰かのために生きるとか、よく聞く気もするけど。子供のためとか恋人のためとか?」

「お前のためを思って言ってるんだ、って言う大人って、大体その大人の都合でそう言ってたりね。誰かのため、って言いながら、本音は自分のためだったりする。でも、本人ですら、その本音に気付いてなかったりするよね」

「いや、なんかシロが言ってるのは相手のために頑張りすぎると疲れちゃうし、頑張らないのはさみしいって感じかな。ちゃんと相手のためになれてるならちゃんとしてるなって思うけど」

「うん、でもそれはそう、シロが自分で言ってる通り、相手を好きなままで居られる程度で頑張れば良いんじゃないかな。テキトーが一番だね。テキトーが難しいんだけどね」

「まぁでもうちは、誰かのために、って結局自分のために、っていうか、自分がそうしたい、な気がするなぁ。誰かのために頑張るの無理かも」
首を横に振ってペロッと舌を出して見せるだろう。