すっかり見慣れた白い部屋に肩をすくめて笑い、迷わずイスに腰掛けた。
現れたシロと名乗る女性にひらひらと手を振って見せる。

「どうも~。ってなんかテキトーだな。まぁいいや。うちがクロであなたがシロね。よろしく~」

「まぁ、でもこんなところに放り込まれて初対面同士で困る、ってのは同感~。うんうん、テキトーにやってこ~」

「って、生きる理由? なんか話題重くない? まぁ、いいけど」
問いかけの内容に目を丸くしたが、肩を竦めると顎をつまんで考え始めるだろう。

「確かに、あったほうがなんかいいよね。でも、なくても生きてちゃいけないわけじゃないじゃん? じゃあ無くてもよくない?」
そう言って意地悪く口角を釣り上げ、しかしふと首を横に振る。

「んー……いや、それじゃちょっとつまんないか。考えるのめんどくさいと思ったけど、ただダラダラ生きてるだけって多分つまんないね」
ふっと息を抜くように微笑んでもう一度考え始める。

「うちが生きたいと思う理由。死にたくない理由。」

「……街ちゃんとお母さんと一緒に居たいから生きていたい、かなぁ。家族と一緒にいたいから生きたい、かも」

「全然他にやりたいこと、今は思いつかないや」
そう言って、少し照れたように笑うだろう。
胸の内では少し、おかしいかもしれない、なんて呟きながら。