Chapter02-04

記録者: シャルティオ (ENo. 14)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-03 04:00:00

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風が通り抜けるような軽い笑い声は相槌のように。
ずっとにこやかに話を聞いている少年は、納得したみたいに数度頷いた後。

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「うんうん!じゃあ次は……ちょっと似たような質問なんだけどさ」

明るさはそのまま、けれど瞳の奥に──ほんの少しだけ鋭さが宿る。

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「君は自分が“正しい”と──思ってる?」

問いかけるトーン自体は軽い。
けれど、その笑顔の裏側から何かが覗く。
あなたの返答を待つ足は楽しげにぶらぶら揺れているのに、
視線だけは、明確に「答え」を探している。

子供の遊びのリズムの中に、
ほんの少しの、刃のような期待。

──あなたは自らを“正しい”と言えますか?

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「僕はさっき言った通り!
 自分の事を正しいと思うから、自分がみんなに聞かせている音が正しいと思っているから、
 僕は笛を吹くし、みんなを導くんだ。だってそうでしょ?」

軽やかに笑いながら、しかし言葉には確信がある。

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「ずっと働かなきゃいけない閉鎖的な村も、
 つまみ食いしたら一日ご飯をもらえないのも、
 重い税金も、いじわるなおばあさんも、変わらせてくれない。
 間違ってるから──導いてあげなきゃいけないでしょ?」


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「自分が正しいって信じてる人はね、迷わずに進めるんだ。
 曲が途切れないんだよ。ほら、楽譜って止まるとそこで“死んじゃう”からさ」

どこまでも明るい声で、
どこまでもまっすぐに、
少年は“正しさ”を語っていた。
──それで、あなたの答えを待っている。
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 風のような貴方を見て、
 自由なる風使いだった次兄を思い出す。
 貴方の纏う雰囲気はあの兄に似ていた。

 向けられた刃のようなそれ。
 胸を張って、堂々と答えよう。

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「思っている」

 これには、即答。
 迷うことはない。

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「私は自分のことを信じ切れていない。
 だけれど、それでも私は正しい」

 幾ら迷い、惑っても。
 革命を志す王ならば、“正しく”なければならないんだ。

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「しかし、だからと言って……
 他の人間が正しくないなんて、言わない

 “正しい”は、人の数だけあるんだと静かに語る。
 己の“正しい”を信じつつ、
 他者の“正しい”を否定しない。

 己が葬ったあの魔局長もまた、
 “正しく”はあったのだから。

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「それで私が否定されるのであれば
 対話を試みるし…………」

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「お互いがどうしても譲れないのであれば、
 力づくでも認めさせてやる」

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「勝った方が“正義”だ」