Chapter01-05

記録者: 不運な風来者 (ENo. 26)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-03 04:00:00

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  ──カシャ


シャッターの音の後、あなたを向いていたレンズがふと向きを変える。
何か未知のことを認識した様子で、その後にまたあなたにひとみが向いた。

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「観察対象、最終質問を提示します」


この対話の終端が近いようだ。
不思議な白い部屋での対話は、何の説明もなく始まり、そして終わるらしい。

奇妙な観察者は感慨もなく告げ、一拍。

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──あなたは、何をもって“自らの存在に価値がある”と判断しますか?


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「それは役割でも、使命でも、功績でも構いません。
 また、価値は不要であるとする見解も有益な観測結果となります。

 あなた自身が、どの基準で己を“肯定”し、
 何をもって“無価値”とせずにいられるのか。

 その価値に他者を如何にして組み込んでいるのか、
 その内的構造を、開示してください」


──あなたは自らに〝どのような価値〟があると認識していますか?

 
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「当機は、あなたの答えを推論する事はできても──
 代弁する事はできません
 故に此度は、 あなた自身の言葉で語られることを要求します」
Answer
「……私の、価値?」


自らの肯定
無価値とせずにいるその訳
役割
使命
功績

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「考えたこと、なかったや」


ただ、生きているだけだったから

死ぬことは考えなかった

だって、生かされてる身だから


……だって、死なないから

この体はいわば呪い

生きることは、呪いによって

そう、生かされているから。


呪いで生きているわたしに
     価値があるのかな


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「わたし、わた……
私は……」



あぁ、もう。
どうして

言葉がどもるんだろう

別に今にわかったことじゃないのに

ずっと前からわかってたことなのに


……多分、認めたくなかったんだろうな。

「……価値なんて、ないよ」



捨てることにもお金がかかる
粗大ゴミみたいなもの。