
「属する世界?いろんな所を彷徨ってるからねー、無いよ」

「なに?元居た世界の話をしろって事?」
元の世界の事は好きではない。
だからこうして異世界を彷徨っているわけなのだが。

「はぁ。わかった。いいよ。でも聞いてもつまらないと思うよ」

「えーと、太陽系の第三惑星の地球。西暦は何年だったかな……。
あー僕が異世界に行き始めた時は2040年だったっけ?今は何年か知らなーい」
自分が異世界渡航を始めてからどれだけの月日が経ち、元の世界ではどのくらいの年月が経ったのか。
数えようとも知ろうともしていない。
元の世界に戻る気はさらさら無いのでどれだけの時が流れていようが心底どうでもいい事だった。

「科学は発達してる。自立思考型の人工知能に仕事を任せられるくらいにはね。
でも魔法だとか超能力だとかは全く無いし、獣人とかも居ないし。
異世界と比べたら圧倒的につまらない世界だね。楽しかったのは昆虫の観察くらい」

「それが普通。人間は魔法や超能力だとか異能の類は一切持たない。
剣と魔法のファンタジー冒険譚なんて夢のまた夢。退屈な日々の繰り返し」
故に、漫画やゲームの舞台のような異世界に憧れた。
人間ではない種族の居る世界。魔法の存在する世界。
そして、誰も自分の事を知らない世界。

「だから僕は繧ー繧ヲ繧」繝シ繝峨ユ繧」繧、繝エ繧。の手を取った。
退屈な世界を抜け出して、他のもっと楽しい世界で遊びたかったから」

「あ、聞き取れなかった?なんか発音難しいんだよね。
あのヒトーーいや、ヒトじゃないけど。僕の世界の言語じゃない名前っていうか」

「こういうのなんて言うんだっけ。ギョーコー?渡りに船?
まあそんな感じで毎日つまんなーいって思ってた時にその名前が難しいのから力を貰ったんだよね。
異世界を行き来できる力。あと姿を自由自在に変えられる力も」

「あ、話が脱線しちゃったね。
まあ、オブザーバーさんの世界とちょっと似てるかもね。
退屈な世界って言っちゃって悪いけど」