Chapter02-02

記録者: シャルティオ (ENo. 14)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-03 04:00:00

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「ふ~ん、君はそう考えるんだね」

あなたの回答を聞いて、頭を左右にこてん、こてんと揺らす。
メトロノームのように規則正しく、しかし気ままに。
しばらく考えた後、ぱっと何かを思いついたように指を立てた。

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「じゃあさ、次々!
 君はさ、自分自身の事をどれぐらい信用してる?

さっきのトイカケはどこへやら。
話題が飛んだように見えて、きっと彼の中では自然な転調なのだ。

──あなたは、あなた自身をどれだけ信用できていますか?

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「あは、僕は勿論信じてるよ~!
 だって僕は導き手だよ?新しい曲にみんなを会わせるのが僕の役目だもの」

少年は胸元の笛を軽く叩き、誇らしげに微笑む。
音は鳴っていないのに、そこに確かな響きがあるように感じられる。

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「それが自分のやる事すら信じられてなかったら
 なにもかもおしまいだし、一小節だって進めない!
 みんなのためになるって僕が信じてるから──僕は笛を吹けるんだ」

その言葉は軽い。なのに、妙に重い。
信じることは、約束ではなく、覚悟なのだと突きつけるみたいに。

──鮮やかな瞳があなたに問い掛ける。
Answer
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「急に話題、変えるね…………。
 お前って気紛れ風みたいだよ」

 そんな自由奔放さと無邪気さに、
 ある人物を思い出しながら。

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「お前は迷うことがないんだね。
 だから“子供”なのか?
 はは…………眩しいよ

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「…………で。
 自分のことを
 どれぐらい信用しているかって?
 それは………………

 青玉石、惑うように揺れた。
 王たる者が、この問いに迷ってはならぬのに。

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「…………私は王だ。
 だからこそ、己のやることに
 疑問を抱いて迷ってはならない」

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「だけれど私の為す改革で、
 酷く傷付いた人間がいるのも見てしまった」

 ずきりと、右の鎖骨が痛み出す。
 向けられた怨嗟の声を、
 その無惨な死に様を、思い出す。

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「私は……私の歩んできた道に、
 革命王としての覇道に、一切の後悔はない。
 託されて歩み始めた道だけれど、
 歩み続けると決めたのは私自身だ」

 それでも、しかし、だが。

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「……私がやろうとしているのは、
 魔導王国では前代未聞の大改革だ。
 魔導王国の歪みに気付いた王は
 過去にいたかも知れないが、
 どの王も皆、見て見ぬ振りをしていたんだ」

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「それを変えようとしているんだ。
 誰もやったことのないことを
 やろうとしているんだ。
 当然、迷うし、惑うさ。仕方ないだろう?」

 迷いながら惑いながら、
 それでもその先にある光を信じて、
 進んでいくしかなかったんだ。

 それらの思考を経て、導き出された結論は。

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「…………私は、
 私自身のことを、信用し切れていない」

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「だが、一切迷わぬ王も、
 それはそれで危ういと思っている」

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「だから。
 道を見失いそうになった時は、周りに訊く。
 そうやって対話を重ねて、
 行くべき道を見極める」

 誤ったら諌めてくれる従者も、
 迷ったら支えてくれる王妃も、隣にいるから。
 
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「……独り善がり過ぎる王は、
 独裁者と同じこと」

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「……これが私の“答え”だ。
 導き手の君、笛の音の君。
 これで満足してくれたか?」