Chapter01-03

記録者: トラレ・ツェ・ループン (ENo. 57)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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  ──カシャ


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「記録しました。有難う御座います」

言葉と共にシャッターが下りる。
たとい先のあなたの言葉がどのようなモノであったとしても、
コレは変わらずこの言葉を吐いたのだろう。
どれだけ荒唐無稽な事を言おうと、無関係な事を言おうと、
静かで落ち着いた声は、波打つ事が無い。

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「観察対象、次の情報を取得します」

冷たいガラスのひとみが、あなたに次のトイカケを差し出した。

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「──次は簡単な思考実験を行います。
 あなたの目の前に一人の人物がいるとしましょう

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彼は明らかに困難な状況にあり、助けを求めています。
 しかし、助けるとあなた自身に損害が生じます


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──あなたはどう行動しますか?
 理由や、其れに至る思考回路を開示してください」


──あなたはこの仮定にどう回答をしますか?

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「当機には質問と観測以外の権限を持ち得ません。
 従って、この人物を助けることは不可能です」


何とも思考実験のし甲斐の無い回答ではある。
流石に此れでは回答例として参考にならないと思考したか、
継ぎ足す様に次の言葉が繰り出される。

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「この問いを考えるにあたって、あなたは複数の要素を考慮する事になるでしょう
 自らの能力、損得勘定、社会倫理、共感性、恐怖心、
 過去の経験、未来への予測、その他不確定要素……
 どの要素に重きを置き、判断するかを考えると良いでしょう」


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「思考の順序、葛藤、迷い──それらも重要な要素です。
 『まず相手の安全、次に自己の損害への憂慮・保身行為、最後に社会的評価』等の様に、
 優先順位及び時間軸での解釈の変遷は実に多様性に富むものでしょう」

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「また、其の人物が『何者であるか』も重要です。
 幼子であるのか、年長者であるのか、あるいは敵対する者か、見知らぬ存在か、親しい者か──
 立場や関係性によって、きっとあなたの判断基準は変化します。

 それらの場合でもまた、此の状況を考えてみてください」



Answer
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トラレ
「私の答えはこの通りよ。
 どのような人物・困難・願いであろうがやることは変わらない。
 私自身に不利益が被るとしても、アルカーナムによる天啓を示す

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トラレ
「あ、でもあくまでもこの子たちは占いによる天啓を示すだけ。
 占い結果次第では事態が良くも悪くもなるわ。
 願いに天啓を与える道具であって、願いを叶える道具ではないもの」

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トラレ
「では、折角だからどうなるか。
 一例を示してみましょうか。……本当はその人にカードを引いてもらいたいけれど、
 あくまでたとえ話だから今回は私が引くわね」




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「―― ワン・オラクル。
     ―― オープン・ザ・カード 『Ⅲ.THE EMPRESS女帝 正位置』」

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トラレ
「―― コール! サモン、『トゥリア・ザ・エンプレス』!」

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トゥリア
「―― 女帝、トゥリア・ザ・エンプレス! あなたのお願いしっかり聞いたよ」

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トゥリア
「あなたのお願い、わたしが責任を持って占……あ、今回は質問のお答えだったね。
 内容は魔女様からもう聞いたからだいじょーぶ」



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トゥリア
「えっと、困ってる人がいるんだよね?
 それでどんな風に困ってるかは……あ、特にないんだ」

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トゥリア
「わたしが呼ばれたってことは、実りや繁栄ってお示しなんだ。
 母性的だとかも言われるね。私子供なんだけどな……

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トゥリア
「よくやるのはたくさんよしよしして甘やかすよ
 お疲れの人に元気元気~! って応援して、休んでもらってからお仕事に励んでもらったりするの。
 そしたら成功するんだあ」

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トゥリア
「恋のお悩みだったら……相手とお話させたら大抵実っちゃうしなあ、わたしの場合

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トゥリア
「もしも逆位置だったらちょっとだけ「めっ!」ってするよ。
 あるいは沢山行動させて、周囲にウザがられてもらったりとかかなあ」

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トゥリア
「逆位置の場合はね、自身の問題を気づかせることが大事なの。
 あるいはブレーキをかけてあげて、視野を広くさせてあげたり」

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トゥリア
「そう考えると、わたしの場合は『助けてあげる』んじゃなくって、
 『自分の力』でなんとかしてもらうために寄り添うのかも」

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トゥリア
「その結果、わたしが不利益を被るとしても」

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トゥリア
「だって、絶対の占い結果をシャルル様はお望みだから!」