Chapter01-04

記録者: 真ヶ門アキト (ENo. 182)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

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「では観察対象。それを踏まえて、次の問いです」


シャッターは下りないまま、
ただピントを合わせるようなジジ、という小さな音だけが聴こえてくる。

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「あなたの価値観を測ります。
 ──あなたにとって譲れないものは何ですか?
 自由でしょうか、信頼でしょうか、愛情でしょうか、それとも秩序でしょうか 」

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「その理由も含めて説明してください。
 対象や状況が変わった時、
 あなたの答えはどのように変化するでしょうか?」


──あなたは自らの価値観をどのように認識していますか?

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「譲れないもの、とひとえに考えても即座に思いつかぬ場合もあるでしょう。
 自由、信頼、愛情、秩序、誇り、忠誠、知識……無数の選択肢が考えられます。」


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「当機は観測を第一義として設計されています、
 どのような思考をせど、必ず『観測』という目的を前提に持ちます。

 これは精神的価値としての『誇り』や『忠誠』とは異なります。
 しかし、機能としての観測が揺るぎ得ない前提であるという点では、
 それらに類する不変性を持つと言えるでしょう」


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「思考の前提、当然と感じている事、
 それこそ、先の思考を組み立てる際に自らが重視したものを改めて噛み砕くと良いのやも知れません」


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「回答は単一である必要はありません。
 譲れない価値の間で揺れる感情や葛藤も、重要な要素です。
 必要に応じて検討を続けてください」

Answer
難しい質問をトイカケられた気がする。
もし自分が中世の騎士とか、江戸の武士とかならすぐに答えられたのだろうけど、俺は生憎そういうのじゃない。
ただオモチャが好きなだけのお兄さんだ。
……でもこういうのって、考えることに意味があるん…だよな?

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「譲れないもの、か……譲れない、譲れないもの……
うーーーん……」

今まで読んだ漫画とか、見た特撮とか、知り合いの色々とかを思い出してみる。
勝利、権利、復讐、利益、友情、あるいは、大事な物品や資料の為、だとか。

……これ、と言ったものは特に何も浮かばない。でもなんとなく嫌なことは沢山ある。
子供たちには笑顔で居てほしい、悲しい気持ちで泣いてる姿は見たくない。
楽しく公平にバトルがしたい。ズルをする人は苦手だ。まじめにやってる人が馬鹿にされてる気がする。
母さんの作品とか、ダチの研究を貶されるのも凄く嫌だ。作った人の気持ちも知らないくせに!って思う。
でもなんか…それって、ちょっと違う?

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「確かに玩具ホビーとかアヒルバトルは大好きだし、それを貶されるのは嫌。
ただ、それって価値観とは…違う気がする。ただの好き嫌いじゃねーかなぁ。
じゃあ、俺らの店アヒルショップ?確かに大事。店長ってことは、それなりに誇りに思ってる。
でも絶対に譲れないかって言うと、それは――状況によるだろーな。」

少し言葉に詰まった。
宇宙から侵略者が!とか、そういうでっけぇ状況になったら、多分店長って肩書だって捨てられると思う。
確証は無いけどさ。そんな気がするだけ。

そこから……時計なんて無いけど、数分は唸って考えたと思う。

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「あ、でもさ。俺の知り合いに悪口言うやつとかは、なんつーか…すげームカつく。
俺はなんて言われたっていいけど、ダチがどうこう言われるのは耐えられなくて……
しっくりこないけど、もしかしてこれって譲れないものってやつ?」