
「ああうるせえ」
「言われなくとも分かってるよ!」
無感情で機械的なそいつに思わず吐き捨てて、
そうしたら、視界がぼやけた白に溶けていく。分析て。大した話はしてないというに。
価値。最後の質問が、まだ頭に残っている。
――自分は、人の価値を、物事の価値を比べ続けていた。
こんな自分こそ、秤を持つほどの価値があるものかと思ったことはあった。
普通。正しさ。その指標は確かに自分の中にあって、けれど近づけなくて、
煤けて汚れていく自分を見下ろせば、軽んじられるべきは己だという考えが頭を過ぎる。
必死に。虚勢を張り続ける。都市に、身近な人達に見合う人間になれるように。
今でも、自分の全てを肯定できている気はしない。それでも。
肯定してくれる人は、いるから。
そういう人達を嘘つきにしたくは、ないから。
誰かの手に、さらに手を重ねるぐらいなら。自分にもできる。

(その点で言うと……)
(ただ観測をするヒトがそこにいるってのも、悪くはなかったのかもな)
温かみの欠片もなかったけど。胸は張れていた……ような気がする。