Chapter01-Fin

記録者: シクスト・フランドル (ENo. 12)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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「……回答を確認しました」


観察者は淡々と処理を続けているように見えるが、
どこかそれは“耳を傾けている”仕草にも似ていた。

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「当機の観測は、これにて終了します。
 記録は保存され、分析は後続機へ引き継がれます」


レンズがわずかに光を収束させ、あなたを見据える。
無機質なガラスに感情は映らない、
ただそれは淡々と観測を続ける機械でしかない。ずっと。

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「あなたが何者であるか──その定義は、あなた自身が決めるものです。
 当機はただ、それを観測したという事実のみを残します」


──そうして白い部屋がじんわりと、輪郭を失っていく。
まるで夢から醒めるように。


──そう。きっとこれは夢だった。


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「……観察対象。これにて接続を断ちます」



ガラス玉のような声が、虚空の中で響いていた。


ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
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「ああうるせえ」
「言われなくとも分かってるよ!」

無感情で機械的なそいつに思わず吐き捨てて、
そうしたら、視界がぼやけた白に溶けていく。分析て。大した話はしてないというに。

価値。最後の質問が、まだ頭に残っている。


――自分は、人の価値を、物事の価値を比べ続けていた。
こんな自分こそ、秤を持つほどの価値があるものかと思ったことはあった。

普通。正しさ。その指標は確かに自分の中にあって、けれど近づけなくて、
煤けて汚れていく自分を見下ろせば、軽んじられるべきは己だという考えが頭を過ぎる。
必死に。虚勢を張り続ける。都市に、身近な人達に見合う人間になれるように。

今でも、自分の全てを肯定できている気はしない。それでも。

肯定してくれる人は、いるから。

そういう人達を嘘つきにしたくは、ないから。
誰かの手に、さらに手を重ねるぐらいなら。自分にもできる。

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(その点で言うと……)
(ただ観測をするヒトがそこにいるってのも、悪くはなかったのかもな)

温かみの欠片もなかったけど。胸は張れていた……ような気がする。