
「…………。」
差し出された問いを、静かに聞く。何度目の当たりにした光景だろうか。
助けられた者、助けられなかった者。いくらでも思い浮かべられてしまう。
『損害が生じる』そういえば、そんな時もあったっけか。

「助けられるなら、それで少しでも救われるなら、いくらでも手を差し伸べるんじゃないかな。
損害が生じようと構わない。現に俺は生きているからね。」

「あ、もちろん悪人だとか、そんな奴を助けるのは真っ平御免だよ。
俺が助けたいのは、なか……。」

「……。」

「……何でもない。最後のはやっぱなし。
とにかく、答えはしたんだ。他に聞く事あるならさっさとしてよ。」
伏し目がちにそう言い放ち、次の質問へと促す。
俯く表情は苛立ちか、それとも別の感情か。
この瞬間もシャッターを切られたなら、その後の表情は嫌悪に満ちていただろう。