Chapter01-04

記録者: シクスト・フランドル (ENo. 12)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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「では観察対象。それを踏まえて、次の問いです」


シャッターは下りないまま、
ただピントを合わせるようなジジ、という小さな音だけが聴こえてくる。

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「あなたの価値観を測ります。
 ──あなたにとって譲れないものは何ですか?
 自由でしょうか、信頼でしょうか、愛情でしょうか、それとも秩序でしょうか 」

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「その理由も含めて説明してください。
 対象や状況が変わった時、
 あなたの答えはどのように変化するでしょうか?」


──あなたは自らの価値観をどのように認識していますか?

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「譲れないもの、とひとえに考えても即座に思いつかぬ場合もあるでしょう。
 自由、信頼、愛情、秩序、誇り、忠誠、知識……無数の選択肢が考えられます。」


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「当機は観測を第一義として設計されています、
 どのような思考をせど、必ず『観測』という目的を前提に持ちます。

 これは精神的価値としての『誇り』や『忠誠』とは異なります。
 しかし、機能としての観測が揺るぎ得ない前提であるという点では、
 それらに類する不変性を持つと言えるでしょう」


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「思考の前提、当然と感じている事、
 それこそ、先の思考を組み立てる際に自らが重視したものを改めて噛み砕くと良いのやも知れません」


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「回答は単一である必要はありません。
 譲れない価値の間で揺れる感情や葛藤も、重要な要素です。
 必要に応じて検討を続けてください」

Answer
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「そろそろ答えるのが面倒になってきたな……」
「出会って間もない相手に、なんでこういう話をしなくちゃならないの?」

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「――あるいは、これかもね。
 これが俺の世界、今後に影響を及ぼしうる出会いならば、
 多少見栄を交えても、もう少しちゃんと答える気があっただろうし……」


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「快不快、それを隠して見栄えのする、聞こえの良いものを吐く。
 信頼愛情誇り忠誠知識、気持ちに左右されるものをコントロールし、けれど隙あらば押し通す」
「そんな――欲と望み。それが、俺の一番譲れないものかも」


ピントをじっと見つめている。
その場を切り取るのではなく、眼としての役割を持っているであろうそれを見る。

見せて恥じるものはない。今のところは。