
トラレ
「何よりも、誰よりも私は私を信じているわ」

トラレ
「だって私のことよ? どうして私が私を疑うことができるの?
私を信じられなければ、私は何を信じればいいと言うの?」

トラレ
「……自分を信じられない人がいることは分かっているのよ。
自分を信じられなくて、天啓を求める人が居てここへやって来る」

トラレ
「自分を信じることができるのであれば、何をするにしても迷うことなどない。
確信のためや願掛けとして占いに来る人もいるから、一概にそうとは言わないけれど」

トラレ
「自分を貫けないから、不安があるから。だから、占いに手を伸ばす。
そうして不確定の未来や明日に対する不明瞭に『運命』という枠組みを与えて、
人は飲み込み信じ込もうとする」

トラレ
「―― まるで、信仰ね」

トラレ
「さて、それじゃあ……今日もいつものように、この子たちに聞いてみましょうか」

「―― ワン・オラクル。
―― オープン・ザ・カード 『XI.THE EMPRESS』」

トラレ
「―― コール! サモン『エクシス・ザ・ラバース』!」

エクシス
「はいはーい、大アルカナの恋人、エクシスちゃんだよ~!
刺激的な恋がしたい? うんうん、いいんじゃなぁい?」

エクシス
「―― いいよ、契約者。あんたを本気にさせてあげる」

トラレ
「うんうん、流石エクシスちゃん。今日も自信満々ねぇ」

エクシス
「にゃはは~、だって恋人だよ? 自信満々じゃなきゃ相手に失礼じゃん。
いつだって惚れてほしいのは可愛いあたしだけ!」

エクシス
「……で。自分のことをどれくらい信じられるかって?
そりゃあ100点中100点っしょ!」

エクシス
「この世の中には自分を信じられない人もいるらしいねぇ。大変ですなぁ。
よよよ、迷える子羊ちゃんよ。今あたしが導いて差し上げようじゃん」

エクシス
「自分を信じらんない人を溺れさせて、ドキドキさせて……
あたしじゃなきゃ満足できないようにさせてあげちゃうよ」

トラレ
「でもエクシスちゃん、アルカーナムに好きな人が居て振り向いてもらえれていないのよ」

エクシス
「魔女様!?!?」

トラレ
「恋を知りたいから恋人を教えて、って言われてごっこ遊びしてたうちに、
本当に好きになっちゃったのよねぇ」

エクシス
「魔女様ストップーーーーー!!」

トラレ
「相手はまだまだ恋を知りたがっているから恋人ごっこ中なんだけど。
まーーー見事に不変の世界だからか振り向かれてないのよねえ。
200年はやってたっけ?」

エクシス
「う…………」

エクシス
「うえぇぇええええええん!! そうなのよ、そうなんだよぉーーー!!
だってだって、ティオールが恋人を知りたいってあたしを頼ってくれて!
じゃあ夢中にさせてあげようって頑張ったんだよ!!」

エクシス
「頑張って……沢山恋人っぽいことしてたら……
いつの間にかあたしの方が好きになっちゃって……」

エクシス
「えぇ~~~ん こんなはずじゃなかったのに~~~!!
あたしは自信満々で皆が虜になるエクシスちゃんなのに~~~!!」

トラレ
「自信大丈夫?」

エクシス
「最近こんなんだからなくなってきちゃった……」

トラレ
「あーあ、可哀想に……」

トラレ
「因みに本来はシャルルが想定してない関係性の変化はエラー扱いなのよ。
アルカーナムは占いを齎す道具であり、それが揺るぎかねない変化はあってはならない」

トラレ
「だから本来は修正して取り上げてあげるべき興味と感情なのだけれども……
そんなことしちゃうなんて、あの子たちが可哀想じゃない?」

トラレ
「私はあの子に、あの子たちが思うままに過ごしてほしいもの。
そして道具と人が手を取り合って、あの子たちだけが持ちえる未来も過ごしてほしい」

トラレ
「だからといって、シャルルとの約束を無視するつもりもない。
そういったわけだから、私は『契約の永続化』というものを用意したわ」

トラレ
「アルカーナムの占いは、占いを希望する人がカードを1枚引いて、
引いたカードの子が天啓を示すまで側についているのよ」

トラレ
「ずっと側にいるわけじゃないんだけどね。
天啓が来る直前までは箱庭世界に居たり、姿を隠していたり。
必要に応じてそのあたりは柔軟に対処するわ」

トラレ
「天啓を示すために、契約した子が頑張って行動を起こす。
そして、示し終えればそれで契約は終了。お仕事を終えて、また箱庭世界へと戻ってくるわ」

トラレ
「その戻るときに。
双方が望めば、契約者が死ぬまでずっと一緒に居られる契約を結ぶことができる。
それが、私が用意した機構で、『契約の永続化』と呼ばれるものよ」

トラレ
「簡単に言うとこうよ」

トラレ
「好きになっちゃったからずっと一緒に居て♡」

エクシス
「何であたしの出来事を踏襲するように言うのーーー!!」