Chapter02-04

記録者: カーレ (ENo. 3)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

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風が通り抜けるような軽い笑い声は相槌のように。
ずっとにこやかに話を聞いている少年は、納得したみたいに数度頷いた後。

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「うんうん!じゃあ次は……ちょっと似たような質問なんだけどさ」

明るさはそのまま、けれど瞳の奥に──ほんの少しだけ鋭さが宿る。

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「君は自分が“正しい”と──思ってる?」

問いかけるトーン自体は軽い。
けれど、その笑顔の裏側から何かが覗く。
あなたの返答を待つ足は楽しげにぶらぶら揺れているのに、
視線だけは、明確に「答え」を探している。

子供の遊びのリズムの中に、
ほんの少しの、刃のような期待。

──あなたは自らを“正しい”と言えますか?

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「僕はさっき言った通り!
 自分の事を正しいと思うから、自分がみんなに聞かせている音が正しいと思っているから、
 僕は笛を吹くし、みんなを導くんだ。だってそうでしょ?」

軽やかに笑いながら、しかし言葉には確信がある。

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「ずっと働かなきゃいけない閉鎖的な村も、
 つまみ食いしたら一日ご飯をもらえないのも、
 重い税金も、いじわるなおばあさんも、変わらせてくれない。
 間違ってるから──導いてあげなきゃいけないでしょ?」


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「自分が正しいって信じてる人はね、迷わずに進めるんだ。
 曲が途切れないんだよ。ほら、楽譜って止まるとそこで“死んじゃう”からさ」

どこまでも明るい声で、
どこまでもまっすぐに、
少年は“正しさ”を語っていた。
──それで、あなたの答えを待っている。
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間違いと思ってる


先ほど少し触れたように。
自分は悪だと思っている。
答えは端的なものだった。
簡単なものだった。


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「世界に存在する限り、役割を持った人間というものもいるでしょ」


「自分はそれなんだよなぁ」

聞かれているわけでもなし。
虚空に吐き出すように言の葉を。

「その役割ってものを持っているのに、ここにいるから間違っている」

「自分もそれを投げ出したという自覚があるからねえ」

「だから、間違い」

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「……」


目の前にいる人の言葉を反芻した。

「確かに迷わずに進めるねえ」
「正しいと思っている人は」

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「まあ自分は。間違いだとは思うけど、これでいいと思ってるよぉ」



迷いもない。悔いもない。