Chapter01-05

記録者: 夏揺 響 (ENo. 56)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

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  ──カシャ


シャッターの音の後、あなたを向いていたレンズがふと向きを変える。
何か未知のことを認識した様子で、その後にまたあなたにひとみが向いた。

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「観察対象、最終質問を提示します」


この対話の終端が近いようだ。
不思議な白い部屋での対話は、何の説明もなく始まり、そして終わるらしい。

奇妙な観察者は感慨もなく告げ、一拍。

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──あなたは、何をもって“自らの存在に価値がある”と判断しますか?


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「それは役割でも、使命でも、功績でも構いません。
 また、価値は不要であるとする見解も有益な観測結果となります。

 あなた自身が、どの基準で己を“肯定”し、
 何をもって“無価値”とせずにいられるのか。

 その価値に他者を如何にして組み込んでいるのか、
 その内的構造を、開示してください」


──あなたは自らに〝どのような価値〟があると認識していますか?

 
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「当機は、あなたの答えを推論する事はできても──
 代弁する事はできません
 故に此度は、 あなた自身の言葉で語られることを要求します」
Answer
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「……そうか、もう終わりなんだな。
 ようやく慣れてきたところだったんだが」

冗談めかして、それでも言葉を待つ。
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「俺の、存在する価値、か」

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「すまない。
 恐らく先の質問と答えがあまり変わりないな、これは」

苦笑。
譲れぬものと、価値は同一であるということか。
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「俺の価値は、俺の決めた生き様を貫き通すことにある。
 どれだけ勤めに忙殺されても、
 どれだけの仲間が散る様を見届けても」

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「折れずに最期まで、炎天に戦い続けることさ」

炎天の将
そう呼ばれるだけの覚悟を持ち合わせているからこそ、
その座に相応と認められている。