
「そんなの状況による……HAHA、分かってるぜ、野暮だよな」

「どんな状況なら助けていいか、見捨てるか、そういう方向性で考えるとするぜ」

「俺はこう見えて寛大な人間を自負している。
損害ってやつがちょっと財布が軽くなる程度のもんだったら、まあたいていは助けてやるさ」

「金を忘れてきたやつが食い逃げで捕まりそうになっているのを、代わりに金を出してやるとかな。
で、礼には及ばないとか、名乗るほどの者でもないとか言ってその場を立ち去るんだ。COOLだろ?」

「だが金の話に限るなら……さすがにいくらでもは出せん、なにせ世界を渡るたびに実質無一文になるんだこっちは」

「具体的にいくらくらいになると躊躇うかっつーと……おまえの世界の貨幣価値がなんも分からんか」

「1ヵ月の……いや、1週間の酒代超えてくるとキツイ」

「よほどのこと、世話になった奴のピンチとか、
貧しい家のガキが借金のかたに持ってかれそうになってるとかならなんとかしてやりたいが」

「そういうときはもう、その世界のノリによっちゃ、金じゃなくて実力行使だな。
ここぞというときに身体張ってこそ、漢ってもんだ」

「それでもさすがに命は賭けられねえ。まだまだ旅は続けたいんだよ俺は」
「タバコがまずくなるんで、やれるだけのことはするけどよ」
そこで、これまでの旅を振り返り……今思えばあの時の無茶は十分命がけだったな、とはたと思い出す。
とはいえ自分でこれ言うもこっぱずかしいな、とあえて黙っておいた。

「まっ、できることに限度はあるが、弱きを助け強気を挫くをモットーにしたいね」

「基本的にカッコつけたがりなんだよ」