最後の質問が終わった。いきなり始まって、いきなり終わって。なんだか慌ただしかったな…なんて私はまだのんきに考えていた。
けれども、時間はどうやらこれ以上は待ってくれないようで。私がぼんやりと感傷なんかに浸っている間にも、ヤツの声は遠くなっていく。

優希
「そう………。……最後にいいこと言うじゃん。……結局、あんたが何なのか……いいやつなのか悪いやつなのか、最後までわからなかったな。」
ただ観測する者、される者。ただそれだけ。それだけだったのだ。
あなたの遠くなった声のした後。白い景色がおかしくなっていく。

優希
「終わりは、突然やってくるもの。なんだろう?オブザーバー。」

優希
「次はもっと、別の場所で会えたら………」
輪郭なんてないはずなのに、全ての輪郭がぼやけていく。
私は、虚空に手を伸ばした。
そう、何か……何か、彼とは違う……ぼやけたものが見えた、聞こえた。そんな気がした。
「お父さん___……」
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優希
「ッツ?!?!?!ぁいたたたたたた………」
勢いよく起き上がったそこは変わらない病院のベッド。
……一体、さっきまで見ていたものはなんだったのか。
………頭が痛い。
身体も、いろんな所から悲鳴が上がっている。
…確かに、私はあの事件で大怪我をしているが…ここは病院。当然のように痛み止めの混ざった点滴がされている今、ここまで痛むことはないはずだ。
期間的にも、薬に身体が慣れてしまうほど長い期間ではない。
………何故だ?
…頭がガンガン痛む。まるで、大量の情報を受け取った時や、大量の情報の整理をひとまとめにしたような…。

優希
「ハァ、ハァ………な、なんだ、夢…、………………夢…?」
いつもと同じ夢のようで、いつもと違った夢を見ていた。そんな気がする。
いつもより長くて、そして、いつもより温かく、寂しく、辛い。そんな夢。
__内容は、よく思い出せない。ただ、いつもと違うという感覚だけが胸の中にあった。
そして、頬には、いつもと少し違う涙の跡が残っていた。