Chapter01-Fin

記録者: 楓 優希 (ENo. 188)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

クリックで開閉
icon
「……回答を確認しました」


観察者は淡々と処理を続けているように見えるが、
どこかそれは“耳を傾けている”仕草にも似ていた。

icon
「当機の観測は、これにて終了します。
 記録は保存され、分析は後続機へ引き継がれます」


レンズがわずかに光を収束させ、あなたを見据える。
無機質なガラスに感情は映らない、
ただそれは淡々と観測を続ける機械でしかない。ずっと。

icon
「あなたが何者であるか──その定義は、あなた自身が決めるものです。
 当機はただ、それを観測したという事実のみを残します」


──そうして白い部屋がじんわりと、輪郭を失っていく。
まるで夢から醒めるように。


──そう。きっとこれは夢だった。


icon
「……観察対象。これにて接続を断ちます」



ガラス玉のような声が、虚空の中で響いていた。


ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
最後の質問が終わった。いきなり始まって、いきなり終わって。なんだか慌ただしかったな…なんて私はまだのんきに考えていた。
けれども、時間はどうやらこれ以上は待ってくれないようで。私がぼんやりと感傷なんかに浸っている間にも、ヤツの声は遠くなっていく。

icon
優希
「そう………。……最後にいいこと言うじゃん。……結局、あんたが何なのか……いいやつなのか悪いやつなのか、最後までわからなかったな。」


ただ観測する者、される者。ただそれだけ。それだけだったのだ。

あなたの遠くなった声のした後。白い景色がおかしくなっていく。

icon
優希
「終わりは、突然やってくるもの。なんだろう?オブザーバー観察者。」

icon
優希
「次はもっと、別の場所で会えたら………」

輪郭なんてないはずなのに、全ての輪郭がぼやけていく。

私は、虚空に手を伸ばした。


そう、何か……何か、彼とは違う……ぼやけたものが見えた、聞こえた。そんな気がした。

「お父さん___……」
_____________________________________________


icon
優希
ッツ?!?!?!ぁいたたたたたた………」

勢いよく起き上がったそこは変わらない病院のベッド。
……一体、さっきまで見ていたものはなんだったのか。
………頭が痛い。
身体も、いろんな所から悲鳴が上がっている。

…確かに、私はあの事件で大怪我をしているが…ここは病院。当然のように痛み止めの混ざった点滴がされている今、ここまで痛むことはないはずだ。
期間的にも、薬に身体が慣れてしまうほど長い期間ではない。

………何故だ?

…頭がガンガン痛む。まるで、大量の情報を受け取った時や、大量の情報の整理をひとまとめにしたような…。

icon
優希
「ハァ、ハァ………な、なんだ、夢…、………………夢…?」

いつもと同じ夢のようで、いつもと違った夢を見ていた。そんな気がする。
いつもより長くて、そして、いつもより温かく、寂しく、辛い。そんな夢。

__内容は、よく思い出せない。ただ、いつもと違うという感覚だけが胸の中にあった。

そして、頬には、いつもと少し違う涙の跡が残っていた。