Chapter01-04

記録者: 御守 瑠海 (ENo. 140)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

クリックで開閉
icon
「では観察対象。それを踏まえて、次の問いです」


シャッターは下りないまま、
ただピントを合わせるようなジジ、という小さな音だけが聴こえてくる。

icon
「あなたの価値観を測ります。
 ──あなたにとって譲れないものは何ですか?
 自由でしょうか、信頼でしょうか、愛情でしょうか、それとも秩序でしょうか 」

icon
「その理由も含めて説明してください。
 対象や状況が変わった時、
 あなたの答えはどのように変化するでしょうか?」


──あなたは自らの価値観をどのように認識していますか?

sample

icon
「譲れないもの、とひとえに考えても即座に思いつかぬ場合もあるでしょう。
 自由、信頼、愛情、秩序、誇り、忠誠、知識……無数の選択肢が考えられます。」


icon
「当機は観測を第一義として設計されています、
 どのような思考をせど、必ず『観測』という目的を前提に持ちます。

 これは精神的価値としての『誇り』や『忠誠』とは異なります。
 しかし、機能としての観測が揺るぎ得ない前提であるという点では、
 それらに類する不変性を持つと言えるでしょう」


icon
「思考の前提、当然と感じている事、
 それこそ、先の思考を組み立てる際に自らが重視したものを改めて噛み砕くと良いのやも知れません」


icon
「回答は単一である必要はありません。
 譲れない価値の間で揺れる感情や葛藤も、重要な要素です。
 必要に応じて検討を続けてください」

Answer
icon
「その質問の答えは、主に三つほどあげられる。
 一つは先にも言った自分を残したいという考えだ。
 これは僕自身の行動を決める基準の一つだからね。」

理由は……なんだろうか?
生まれつきこのような考え方だったから理由なんてないのかもしれない。
いや、今は次のことを考えよう。理由を考えれば脱線するだろうし、後に回そう。
icon
「まぁいいか。愛智、フィロソフィアと言うべきか。
 文字通り知恵を愛すること、哲学とも呼ばれるが、僕は特別優れているわけでもない凡才ではあるが、
 しかし、それでも考えることが好きでね。
 考えて、考えて、考え抜いて、時に脱線することも多いが、
 僕が生きている限り考えることから脱却することはないだろう。」


icon
「そして、僕を形作るにおいて最も重要な要素、
 それは理想だ。
 僕はイデアを追い求めている。イデアとは全てのものの原型だ。
 願望、或いは欲望とも言い換えられる理想は、即ちその者のイデアに最も近い姿であると僕は考える。
 故に僕は理想と望みを追い求める探求者であり、願いと欲望を解き明かさんとする研究者と名乗るようになったのさ。
 いつか、それこそがイデアであるか否かを確かめるべくね。」