これは簡単な質問だ。答えを考える余地もない。

「基本的に助けるだろう。
たとえどんな代償であろうとも、それが僕一人に降りかかるものならばね。
僕は死を特別恐れていない。それ以上に恐れているのは何も残せないことだ。
そして、誰かを助けるという事は助けた者の中に自分を残せるという事に他ならない。
ならば、考える余地もないだろう?」
何も残せず生きるよりも、何かを残して死ぬほうがずっと良い。
そうだとも、そうして死を選択した僕だっているのだから。

「無論、他人にまで代償を払わせる必要ができたら考えるが、
まぁ今回の質問の内容であればその可能性は低いだろうから問題ない。」
「あぁ、でも…。」
そこに優しさはない。そこに他者を思いやる気持ちはない。
己を犠牲にするのは自分を残したいという自己満足の為。
他者を巻き込まないのは面倒事にはしたくないという自己保身の為。

「人はこれを偽善と呼ぶのだろうね。
まぁ、結局は助けられた者にとって助けられたという事が重要なのであって、
やらぬ善よりやる偽善というやつさ。」