Chapter01-Fin

記録者: シルヴィレント (ENo. 87)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

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「……回答を確認しました」


観察者は淡々と処理を続けているように見えるが、
どこかそれは“耳を傾けている”仕草にも似ていた。

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「当機の観測は、これにて終了します。
 記録は保存され、分析は後続機へ引き継がれます」


レンズがわずかに光を収束させ、あなたを見据える。
無機質なガラスに感情は映らない、
ただそれは淡々と観測を続ける機械でしかない。ずっと。

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「あなたが何者であるか──その定義は、あなた自身が決めるものです。
 当機はただ、それを観測したという事実のみを残します」


──そうして白い部屋がじんわりと、輪郭を失っていく。
まるで夢から醒めるように。


──そう。きっとこれは夢だった。


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「……観察対象。これにて接続を断ちます」



ガラス玉のような声が、虚空の中で響いていた。


ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
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「これで終わり、了解したけれど……。
 後続? これからも何かあるの?」

 不思議そうにガラスを見ていた。
 あれ、と思っているうちに目が覚める。
 元の世界。

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「兄貴? ぼんやりして、
 どうしたんだ?」

 不思議そうな顔した弟が、覗いていた。
 あはは、と青年は笑う。

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「不思議な夢を
 見ていたみたいだよ、アルヴィ」

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「どんな夢かは、秘密。
 まぁでも、悪い気はしなかったねぇ」

 あのトイカケの数々に関しては、秘密。
 トイカケに答え己を掘り下げることで
 改めて見えてきたものもあるけれど。

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(アルヴィの為ならば
 私自身を犠牲に出来るとか聞いたら……
 あの子、きっと怒るだろうし)

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「教えてくれねーのかよ…………」

 手を伸ばして不服そうな弟の頭を撫でたら、
 困惑の表情を返された。

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「いきなり何?????」

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「…………ふふ。
 なぁんでも、ない」

 自分の大切は、今もこうして、傍らで生きている。
 己にとって譲れないもの、己に価値を与えるもの。
 唯一無二で絶対的な、最愛が。

 穏やかな昼下がりのことだった。
 今日もアルヴァンテの家は、賑やかだ。