どこかに向かって歩いていた。
行き先は全部任せきりだったけど。
確かにそのはずだった。
ぼんやりしてて気がついたらさっきまでと違う景色で。
隣を見ても、反対を見ても後ろを見ても上を見ても。
どこを見ても真っ白、なにもない。

「────、─?」
おもわず首を傾げてひとりごと。
だけど違う、夢じゃない。
ちゃんと自分の足で歩いてたんだから。
間違いない……はず、だとおもう。
考えれば考えるほど自信がなくなってくる。

「─────」
探してもらえるかな。
もし夢だったら、いつかは覚めるのかも。
伝える必要のある相手はここに居ないのに
ついつい腕を組んで悩み考えている身振り手振り。
それから改めて部屋を見渡してみたら、全く何もなくはなかった。
休むだけなら床で寝転んでも大丈夫だけど。
たったひとつだけ、ぽつんと椅子が置いてあるから。
なんとなく座った方がいいのかなって、そう思ったんだ。
……目の前から音がした。
聞き覚えがあるし、それに見覚えもあるのに。
それは物ではなく、自分の知らない人だった。
難しい言い方でなんだか検査みたいだ。
ちょっと堅苦しいけどお喋りする相手が居るのは楽しい。
頷いて口を動かしてみるけど伝わるのかどうか。
だから記録は取れないかもしれないけど。質問に、

『答えたらいいの?』