
「……ふう」
自分でも感情的になってしまった自覚ははっきりとある。
深呼吸を一度。

「譲れないもの、ね。
まあさっきの聞かれた以上はバレてるだろうし
隠すつもりもねえ」
おそらく、それを訊かれて困る相手はこの場所に居ないのだし。

「基本的には俺自身の命。
けど、例外に当たる人がひとりいんだよ。
その人が生きるためなら」
先ほど取り乱した、その原因ともなる要因。
もう一度、今度は落ち着きを保つことを意識しつつ敢えて復唱する。
そして蜻蛉は人差し指で己を指した。
締めくくりの言葉を告げる為に。

「最悪、"早瀬颯切"は死んでもいいさ」