Chapter02-01

記録者: "□□の□□"、其の道中 (ENo. 124)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

クリックで開閉
あなたがふと気が付けば、真っ白な部屋に居た。
そこには椅子がひとつ置いてあるだけで、他に何もない。

あなたが以前来たあの部屋と、まったく同じに見える。
壁に触れても感触は無く、すり抜ける事も出来なければ
もうひとつの椅子を見る事も叶わない。

──あなたが椅子に座れば、部屋は拡張されたように感じる。
視界の向こうに椅子があり、そこに誰かが座っている。

icon
「あれ?」

icon
「あはっ、すごい。君っていつの間に居たの?
 ちっとも気付かなかった!だってさっきまで誰も居なかった、
 君の音はひとつも聴こえて居なかった!きっと何かが君を導いたんだね」


奇抜な色彩を纏った少年が、にこやかに楽しげにあなたを見ている。
足をぶらぶらと揺らしながら、まるで軽やかな旋律そのもののようだった。
胸元に下げた横笛が、少年の小さな動きに合わせて微かに揺れ、
そのたび、金属が擦れ合う透明な響きが空気を震わせる。

icon
「ね、僕さ、訊いてみたい事があるんだけど、いい?
 きっとこれは風の導き、新しい楽章の予感!
 今まで聞いたことのない音に出会えそうな気がするんだ!」


少年はあなたに体を傾け、目を輝かせる。
質問を投げかける瞬間でさえ、ひとつの“旋律”を紡ぐように。

icon
「──君はさ、大人になるってどういうことだと思う?


──あなたは“大人”とは何だと思いますか?

sample

icon
「僕はね、毎日新しい音を探してる。
 繰り返しばっかりの退屈な道ばっかり歩いてたら、その曲は死んじゃうでしょう?」

空中に弧を描くように指先を動かす。
まるで目に見えない五線譜に、音を刻むみたいに。

その仕草に合わせて、笛が揺れて微かに音を鳴らしたような気がする。
それが空耳なのかどうか、判断できない。

icon
「僕から見たら大人って、死んだ曲をずっと流してる人たちだ。
 一体何が楽しくてそんなことをしてるのか、僕には全然分かんない!

 君はどう思う?大人ってもしかして僕が知らないだけでもっと楽しいものなのかな?」

Answer
──あなたは"大人"とは何だと思いますか?



あれから、何日? 或いは、何ヶ月?
どうやら、私は再び"白い部屋の夢"に迷い込んだ、らしい。

眼の前に現れたのは、やはり見慣れない格好の――けれど、前回の彼オブザーバー殿とは別の少年。
見慣れない形式の服装は、とても鮮やかで、綺羅びやかにも視える。

そして、問われたのは。

icon
*****
「大人……大人、かぁ……」

少年の言う"タヒんだ曲をずっと流してる人達"という表現には、少し首を傾げた、けれど。
つまり、毎日同じ様な事を繰り返して生きている様子を言っているのだろうか?
多分、其れは。
楽しいとか、楽しくないとか、そういうのとは――


icon
*****
「…………」



icon
*****
「……大人、か。
 そうだな……私が思うに……」

icon
*****
作り笑い・・・・が上手になる事……かな」



icon
*****
「君が言う"タヒんだ曲"と、似たような事かもしれないけれど」

icon
*****
「生きて、自分の"立場"というものが理解ってくると……
 どうしても、素直な感情を素直なまま曝け出す事が難しい場面も出てくる

icon
*****
「私は……特に、そうしなければいけない立場に居るって、理解り始めてからは。
 作り笑いの練習を、皆に悟られないよう、頑張ったものだよ」



icon
*****
そうしなければ……きっと、私は、総てから棄てられた、だろうから……ね皇帝なんて成りたくなかった、でもガイラスと離される方がずっとこわかった

icon
*****
「…………」