Chapter02-01

記録者: トラレ・ツェ・ループン (ENo. 57)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

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あなたがふと気が付けば、真っ白な部屋に居た。
そこには椅子がひとつ置いてあるだけで、他に何もない。

あなたが以前来たあの部屋と、まったく同じに見える。
壁に触れても感触は無く、すり抜ける事も出来なければ
もうひとつの椅子を見る事も叶わない。

──あなたが椅子に座れば、部屋は拡張されたように感じる。
視界の向こうに椅子があり、そこに誰かが座っている。

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「あれ?」

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「あはっ、すごい。君っていつの間に居たの?
 ちっとも気付かなかった!だってさっきまで誰も居なかった、
 君の音はひとつも聴こえて居なかった!きっと何かが君を導いたんだね」


奇抜な色彩を纏った少年が、にこやかに楽しげにあなたを見ている。
足をぶらぶらと揺らしながら、まるで軽やかな旋律そのもののようだった。
胸元に下げた横笛が、少年の小さな動きに合わせて微かに揺れ、
そのたび、金属が擦れ合う透明な響きが空気を震わせる。

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「ね、僕さ、訊いてみたい事があるんだけど、いい?
 きっとこれは風の導き、新しい楽章の予感!
 今まで聞いたことのない音に出会えそうな気がするんだ!」


少年はあなたに体を傾け、目を輝かせる。
質問を投げかける瞬間でさえ、ひとつの“旋律”を紡ぐように。

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「──君はさ、大人になるってどういうことだと思う?


──あなたは“大人”とは何だと思いますか?

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「僕はね、毎日新しい音を探してる。
 繰り返しばっかりの退屈な道ばっかり歩いてたら、その曲は死んじゃうでしょう?」

空中に弧を描くように指先を動かす。
まるで目に見えない五線譜に、音を刻むみたいに。

その仕草に合わせて、笛が揺れて微かに音を鳴らしたような気がする。
それが空耳なのかどうか、判断できない。

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「僕から見たら大人って、死んだ曲をずっと流してる人たちだ。
 一体何が楽しくてそんなことをしてるのか、僕には全然分かんない!

 君はどう思う?大人ってもしかして僕が知らないだけでもっと楽しいものなのかな?」

Answer
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トラレ
「今回は別の人がお相手になるのね。いいわよ。答えてあげる。
 自己紹介は……いらなさそうね。それじゃあお答えしま

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トラレ
「大人に……なる……?」

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トラレ
「え……なにそれしらない……加齢という概念のない私にとって……何も……分からない……」

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トラレ
「えぇ……歳を取れば勝手になるんじゃないの? 違うの? そういうことじゃないの?」

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トラレ
「うーん…………」



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「―― ワン・オラクル。
     ―― オープン・ザ・カード 『XII.THE HANGED MAN吊るされた男 正位置』」

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トラレ
「―― コール! サモン『ルジェ・ザ・ハングドマン』!」

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ルジェ
「ボケカスドアホ!!!!
 だから何であたしなのよ!!!!」

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トラレ
「助けてルジェちゃん、私大人になることがどういうことか分からない……
 私は皆から見て大人なの? 子供なの? 魔女、そのあたり分かんないわ……」

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ルジェ
「あたしも分かんねぇわよ!!
 ねぇ知ってる!? アルカーナムの人間体って歳取らないのよ!!
 不変なのよあたしたち!!」

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トラレ
「知ってる」

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ルジェ
こんちくしょう!! 全部あたしに丸投げしやがって!!
 大人になる? 大人になるってどういうこと? えぇーーー

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ルジェ
「……外の人間について、で語らせてちょうだい。
 客観的だったらまだいけると思うわ」

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ルジェ
「稀に成長後の子供に会うことがあるじゃない。
 あぁ、でかくなったなーって変化を目の当たりにするでしょう?
 見た目がでかくなる、っていうのがまず一つ」

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ルジェ
「あとは……思考が現実的になるわよね。
 子供のときは無茶な占いも無茶と理解してなくって、
 大人になったらそもそも占いに対して大きな意味を見出さなくなっていたり」

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ルジェ
「現実的になる、っていうの?
 確かにアルカーナムは願いを叶えるわけじゃないけど、
 占いに意味がないと思われるのも心外よねぇ」

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ルジェ
「…………」

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ルジェ
「……………………」

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ルジェ
「……ねぇ、あたしだけじゃきついからもう1、2人呼んでくれない?
 というかあたしが他の人の意見も聞いてみたいわ」

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トラレ
「皆困ると思うし今のでいいと思うけれど、だめなの?」

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ルジェ
「あたしだけが貧乏くじ引かされるの納得いかない」

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トラレ
「なるほど理解したわ」



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「―― ワン・オラクル。
     ―― オープン・ザ・カード 『VII.THE CHARIOT戦車 逆位置』」

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トラレ
「あっ」

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トラレ
「……えー。引き直し……だめ? だめよねぇ。うん。はい」

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トラレ
「―― ……コール! サモン『セヴェンタ・ザ・チャリオット』!」

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セヴェンタ
「ふははははははははは!! 私を呼んだか、ついに戦いか!!」

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ルジェ
「魔女様ーーーーーーーーーー!!」

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トラレ
「いや。うん。ごめんね?」

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セヴェンタ
「む、その声は。中途半端じゃないか。
 どうした、人の願いを聞き遂げられずに私に泣きつきにきたか?」

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ルジェ
「はーーーーー??? ボケカスドアホにこの無理難題が解決できるなんて
 到底思えないんですけど~~~~~~???」

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トラレ
「Tips! この2人は特別仲が悪いわ

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セヴェンタ
「くくく、私に答えられない願いなどありはしない。
 どこぞの中途半端とは違い、私は強く、強く、そして強い!!

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ルジェ
「全部パワーしか言ってねぇのよ骨の髄まで筋肉しやがって!!」

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セヴェンタ
「さあ魔女様、願いとやらを聞こうではないか。
 何、どんと構えてくれて構わないぞ。私に答えられない願いなどないからな!」

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トラレ
「大人になるってどういうこと?」

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セヴェンタ
「ほう、大人とな」

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ルジェ
「この難問、あんたなんかに解けるかしら?」

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>セヴェンタ
「ふっ、なに。大人になるということがどういうことか、だろう?」

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セヴェンタ
「実に簡単な問題だな。そんなもの――」

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セヴェンタ
「加齢すれば大人だ!!」

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トラレ
「いやーーーーーー!!
 私セヴェンタと考え方がまるきり一緒だったーーーーー!!」

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セヴェンタ
「嫌なのか!?!?」

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ルジェ
「嫌でしょ」