
「私は"合理的に動こうと"する、でしょう。」

「たとえば、助けた後に見返りが貰えるか、とか。その相手といい関係を結んでいる……または、結べそうか、とか。」

「……あと、自分への損害の具合にも依るかもしれません。流石に、代わりに死ぬとか……
下手したら、身体の欠損が起こる時点で、私はその相手を助けることを、ためらうかもしれません。」
と、ここまで話した時点で彼女はゆっくりと目を閉じた。
自分の記憶や過去を見て、何かを考えているようだ。

「……いや、口ではそう言っているけれど。実際の所は、分かりませんね。」

「無我夢中で、助けに行っているかもしれません。
……目の前で誰かを見捨てることで、どうしようもなく後悔しそうな気がします。」

「合理を望んだとしても、それをすべて捨てて助けるかもしれません。」
そう語りなおす彼女の右手は、左腕を強く握って僅かに震えていた。