Chapter01-04

記録者: シャルティオ (ENo. 14)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

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「では観察対象。それを踏まえて、次の問いです」


シャッターは下りないまま、
ただピントを合わせるようなジジ、という小さな音だけが聴こえてくる。

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「あなたの価値観を測ります。
 ──あなたにとって譲れないものは何ですか?
 自由でしょうか、信頼でしょうか、愛情でしょうか、それとも秩序でしょうか 」

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「その理由も含めて説明してください。
 対象や状況が変わった時、
 あなたの答えはどのように変化するでしょうか?」


──あなたは自らの価値観をどのように認識していますか?

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「譲れないもの、とひとえに考えても即座に思いつかぬ場合もあるでしょう。
 自由、信頼、愛情、秩序、誇り、忠誠、知識……無数の選択肢が考えられます。」


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「当機は観測を第一義として設計されています、
 どのような思考をせど、必ず『観測』という目的を前提に持ちます。

 これは精神的価値としての『誇り』や『忠誠』とは異なります。
 しかし、機能としての観測が揺るぎ得ない前提であるという点では、
 それらに類する不変性を持つと言えるでしょう」


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「思考の前提、当然と感じている事、
 それこそ、先の思考を組み立てる際に自らが重視したものを改めて噛み砕くと良いのやも知れません」


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「回答は単一である必要はありません。
 譲れない価値の間で揺れる感情や葛藤も、重要な要素です。
 必要に応じて検討を続けてください」

Answer
譲れないもの。
問われれば、少年は少し考え込む顔。
左手を顎に当て、しばしの時間の後。

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「──私は、王だ」

 口を開く。

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「私は王だ。
 魔導王国を導く革命王」

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「その役目から逃げることは、
 決して許されない。
 私もそれを、許さない」

 たまの休息ぐらいならばあっても良いだろうが、
 最後には必ず玉座に戻る。

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「シャルティオ・アンディルーヴは
 王でなければならない。
 王であることをやめた途端、“私”は死ぬ」

 青の瞳は変わらず凛と。
 強い想いを秘めて、輝いた。

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「誰からも望まれなかった“出来損ない”が
 変革を夢見るならばさ。
 そして強い権力を手にし、
 大好きな人たちから託されたのならばさ」

 抱き続けた、切なる想い。

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「ようやく夢が叶うんだ。
 ようやく、手が届くんだ。
 それを実行出来るのは、自分だけなんだ」

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「ならさ…………
 やるしかないだろって、話」

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「だから“私”は──王なんだ」

 これだけは絶対に、譲れない。