Chapter02-01

記録者: 神秘一派 (ENo. 90)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

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あなたがふと気が付けば、真っ白な部屋に居た。
そこには椅子がひとつ置いてあるだけで、他に何もない。

あなたが以前来たあの部屋と、まったく同じに見える。
壁に触れても感触は無く、すり抜ける事も出来なければ
もうひとつの椅子を見る事も叶わない。

──あなたが椅子に座れば、部屋は拡張されたように感じる。
視界の向こうに椅子があり、そこに誰かが座っている。

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「あれ?」

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「あはっ、すごい。君っていつの間に居たの?
 ちっとも気付かなかった!だってさっきまで誰も居なかった、
 君の音はひとつも聴こえて居なかった!きっと何かが君を導いたんだね」


奇抜な色彩を纏った少年が、にこやかに楽しげにあなたを見ている。
足をぶらぶらと揺らしながら、まるで軽やかな旋律そのもののようだった。
胸元に下げた横笛が、少年の小さな動きに合わせて微かに揺れ、
そのたび、金属が擦れ合う透明な響きが空気を震わせる。

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「ね、僕さ、訊いてみたい事があるんだけど、いい?
 きっとこれは風の導き、新しい楽章の予感!
 今まで聞いたことのない音に出会えそうな気がするんだ!」


少年はあなたに体を傾け、目を輝かせる。
質問を投げかける瞬間でさえ、ひとつの“旋律”を紡ぐように。

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「──君はさ、大人になるってどういうことだと思う?


──あなたは“大人”とは何だと思いますか?

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「僕はね、毎日新しい音を探してる。
 繰り返しばっかりの退屈な道ばっかり歩いてたら、その曲は死んじゃうでしょう?」

空中に弧を描くように指先を動かす。
まるで目に見えない五線譜に、音を刻むみたいに。

その仕草に合わせて、笛が揺れて微かに音を鳴らしたような気がする。
それが空耳なのかどうか、判断できない。

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「僕から見たら大人って、死んだ曲をずっと流してる人たちだ。
 一体何が楽しくてそんなことをしてるのか、僕には全然分かんない!

 君はどう思う?大人ってもしかして僕が知らないだけでもっと楽しいものなのかな?」

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「飽きないね」「まったく」「私たちは忙しいというのに」「座ろう」「仕方ない」


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「楽しそうだ」「私たちは導く者であるのに」「導かれるとは」「なんともかんとも」

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「神秘の外側から来た者は娯楽の国のような人だね」「音楽を好んでいるように思える」「神秘の外側から来た者の言葉を聞いた限りだけど」


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「大人」「肉体の成長、成熟」「生き物であるならば、まっとうに子を成せるあたり」「精神は差異があるね」「好まない者もいるとも」「好まなくても職を与えて役目だとしているけど」


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「子供は楽しむものだ」「子供だからね」「大人になると責任を背負う」「まあ、子供でもある程度は」「しでかしたのであれば、ね」「肉体と精神の未熟性」「柔らかな音はいつかは矯正されていくものだ」「そう言う意味でも、娯楽の国は子供じみた者たちが多いね」「娯楽を常に求めているからね」


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「子供が子供でいるためには、大人がいなければならないよ」

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「死んだ曲だとかいうけど、そうしなければ回らない」「特に社会がね」「「無秩序が続けば全てを破壊するから」


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「楽しみを見出す大人もいるけど」「神秘の外側から来た者には、それすら死んだ曲と述べるのではないかな」