Chapter01-Fin

記録者: フェルヴァリオ (ENo. 64)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

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「……回答を確認しました」


観察者は淡々と処理を続けているように見えるが、
どこかそれは“耳を傾けている”仕草にも似ていた。

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「当機の観測は、これにて終了します。
 記録は保存され、分析は後続機へ引き継がれます」


レンズがわずかに光を収束させ、あなたを見据える。
無機質なガラスに感情は映らない、
ただそれは淡々と観測を続ける機械でしかない。ずっと。

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「あなたが何者であるか──その定義は、あなた自身が決めるものです。
 当機はただ、それを観測したという事実のみを残します」


──そうして白い部屋がじんわりと、輪郭を失っていく。
まるで夢から醒めるように。


──そう。きっとこれは夢だった。


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「……観察対象。これにて接続を断ちます」



ガラス玉のような声が、虚空の中で響いていた。


ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
カメラは突然、寸分の揺らぎもない電子音で告げた。

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「あなたが何者であるか──その定義は、あなた自身が決めるものです。
 当機はただ、それを観測したという事実のみを残します」

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「……観察対象。これにて接続を断ちます」

その瞬間、白い部屋の空気がふっと軽くなる。
だが、次の瞬間にはその軽さが妙な静寂に変わった。
レンズは光を失ったように沈黙し、もう問いかける気配は一切ない。

フェルヴァリオは、まるでそんなことは最初から想定していたかのように、
淡々と作業へ戻った。

細長い短冊の紙──試薬紙を取り出し、
スポイトで先ほど完成したばかりの液体を一滴落とす。

ぽたり。

変色は……ない。
フェルヴァリオは、無表情で小さくうなずく。

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「よし。」

次の工程。
紙を火で軽く炙る。
焦げ跡ひとつ出ないことを確認する。

続けて、白い部屋の天井から射す光に紙をさらし、
わずかな変化も見逃さないよう目を細める。

さらに電撃。
軽く指を鳴らすと、ぱち、と小さな雷が試薬紙へ走る。

紙の端がわずかに震えるだけで、変質はなし。

フェルヴァリオは短冊に書かれたチェック欄へ
静かにひとつずつ、ペンで チェック を入れていった。

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「うん、合格。」

そう呟くと、小瓶を手に取る。
調合品を“キュポン”という澄んだ音で詰め込み、丁寧にラベルを書き、封をする。

ラベルの字は驚くほど美しい。
淡々としているくせに、こういうところは几帳面だ。

もうカメラは何も言わない。
ただ、白い部屋とフェルヴァリオの手元だけが静かに動いている。

それは、誰も知らない、けれど確かに日々重ねてきた──
なんでもない錬金術師の“仕事の音”だった。