
「お、次は俺が正しいと思ってるか? かぁ」
切れ味のある問いかけに一瞬目を見張り、次の瞬間には柔らかい表情を浮かべる。

「俺はあんまり自分に自信がないから、自分が正しいとはあんまり思ってないかな。さっきまで話してて分かるかも知れないけど。」

「俺はあんまり頭が良くないし、一生懸命勉強してるけどわからないことも知らないこともまだまだいっぱいあるから、何が正しいのかすぐには全然わからない。でも、わからないからこそ、いっぱい考えてちょっとでも正しいことが出来るように、選べるようにしたいなぁと思うよ」

「正しいと迷わずに進めるのはきっとそうだと思うし、キミはきっとそうやって進まないと行けなかったんだね。でも、俺は間違えても進むより、立ち止まって何が正しいのか考えたいと思うよ。」

「ずっと働かなきゃいけない村も、つまみ食いの罰も、重い税金も、意地悪なおばあさんも、どうしてそうなのか、わからないままにそれを間違ってると決めることは出来ないと思うよ。全部を知ることは出来ないかも知れないし、全部を知ったらやっぱり間違ってるのかもしれないけどね」