
「次は正しいこと、かぁ。それって確かにすっごく難しいよね」
珍しくたくさん考えている頭を支えようとするかのように、両手を頭の後ろで組んで考える。

「正しいってことは、誰かがそうあってほしい、っていう願いなのかな~って思うかなぁ。たくさんの人が同じように願っている正しいもあるし、誰か一人だけが願ってる正しい、もあるのかなって思うんだ。」

「だから、俺も間違った正しいはない、って思うかも。俺は人に言われたら、俺はそれが正しいって思ってても間違ってるかも、って思っちゃう方なんだけど、あれ、でも間違えてたときは直したいから、間違ってたならそうと知りたいよね」
話しているうちに混乱してきたようで、首を何度も左右に傾げる。

「自分だけが正しいって思ってる時は、本当にそれが正しいのか、やっぱり不安になっちゃうな。誰かと同じ正しいの方が安心しちゃうというか、少なくともその誰かを俺の『正しい』で傷つけちゃうことはないからかな。誰かが嫌な思いをする『正しい』はやっぱり俺は正しいかどうか分からなくなっちゃうな」