
「え、もう最後? ちょっとさみしいね」
鋭い三白眼を少し細めてそういった後、続いた問いかけに今度は目を見張って口を噤む。
少し視線を彷徨わせて逡巡した後、ゆっくりと口を開いた。

「俺に価値があると思えるか、って聞かれたら、ぶっちゃけると今も無いような気がしてるよ」

「学校に通う前まではね、俺に価値なんて全然無いと思ってた。むしろ、居なくなったほうが良いと思ってたよ。実際、俺の故郷で俺は居ないほうがいい奴だったから、しょうがないよね」

「でもね、学校の友達は俺にすっごく良くしてくれたし、魔法を使えるようになって、今の仕事始めてからはちょっとは役に立てるようにもなったし、それに俺が居なくなったら悲しんでくれる友達とか、先輩とか、何人かいるから、居なくなったほうが良いとは思わなくなったかな」

「俺の価値は、俺と仲良くしてくれる人たちが与えてくれるから、俺はその人達を大事にしたいって思うよ」