Chapter02-03

記録者: 薄場心檻 (ENo. 146)
Version: 2 | 確定日時: 2025-11-30 04:00:00

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奇抜な色の羽織をひらりひら。
あなたの言葉を頷きながら聴いて、なるほど!なんて相槌を入れた。
少年にとってあなたの言葉は新鮮な音列なのだろう。
ありがとう!なんて言葉は程々に。また次のトイカケがあなたに振られた。

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「ねえねえ、君に訊きたいんだ。
 僕ってさ──いつも思うんだ。“正しいこと”って何なんだろうって?」

少年は笛を軽く指先でくるくる回し、空気に音の波を描くようにして言う。

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「だってさ、僕が吹く笛が誰かを笑顔にしたとき、
 それは“正しいこと”な感じがするでしょ?
 でも、もし誰かが嫌な気持ちになったら……それは“間違い”になるのかな?」


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「ね、君は──“正しい”ってなんだと思う?


──あなたは、何をもって“正しい”と判断しますか?

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「僕はさ、間違いなんてないと思うんだ。
 高い音も低い音も、速いテンポも遅いテンポも、全部必要で、
 楽しさも悲しさもぜーんぶ、大事なものなんだ!
 だから全部正しいって言えるんじゃないかなって」

見えない舞台の上で踊るように広げた両手。
世界のあらゆる感情を抱きしめるかのように、無邪気で貪欲だ。

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「たとえ誰かが“間違い”って言っても、
 そのせいで誰かが笑ったり泣いたり、変わるなら、
 それは正しいことになるんだ!」

少しだけ、笛の端がきらりと光った気がした。
正しさは、正解ではなく──変化そのものなのだと、少年は信じている。

少年は笛を胸に抱き、満足げに微笑んだ。

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「僕は“自分が正しい”と信じてる。だから誰かに間違ってると言われても気にならない!

 君はどう?周りの音は気にしちゃうタイプかな?
 それとも、君も自分の旋律を持っているのかな?
 ──君にとって“正しい”て何?」

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「ホントに、コロコロ話が変わるなぁ。正しいとかまた難し〜。ここの部屋に来る人はみんな難しい話が好きなのかな?」

続いた問いかけに苦笑しながらも、あごをつまんで考え始める。

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「誰かを喜ばせたときが正しいときで、誰かが嫌な気持ちになった時が間違ったとき、なのかな? うーん、なんとなく分かる気もするけど、ちょっと違う気がする?」

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「あぁ、そっか、キミはそのどっちも正しい、なのか。うーん、全部正しい、っていうのもなんか微妙だけど、キミはそう信じてるんだね」

少年が続ける言葉に頷いて、ニヤリと悪そうに微笑む。

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「うちは、うちがいつも正しい自信ないどころか、多分悪いことだろうな〜ってことがやりたくなっちゃう方なんだよね。もちろん誰かに辛い思いをさせていいとは思ってないけど、ちょっと悪い事するくらいの方がピリッとして楽しいっていうか。」

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「正しいだけじゃ息が詰まっちゃうよ。何が正しいかなんて言う人によって変わるしね」