
〇(回想)白い空間
椅子の前で棒立ちする、白埜シンフゥ(150)。
13日に縁がある。
何せ齢も150を超え、どういった縁だったかもはや覚えていないが、
それでも微かに残る程度には色褪せた縁がある。
しかし此処には、暦も、文字も、色もない。
数えるならば、椅子が1脚。
そして、1人の男が、己。

(……何ぞここ)
此処は何処かと動転する前に、ぼんやりと脳裏に浮かんだのは“13”だった。といっても特に脈絡なく天啓が降りるのは己にとって平時の事だ。まあ、いつかはどこかに繋がるのだろう。

(また知らん間に取っ掴まったんじゃろなァ)
中途半端に長命な身は、何かと手を出しやすく、面白おかしく弄りやすいらしい。見知らぬ地に連れ攫われることも、まあ、ままある。
ぐるりと見渡すまでもなく何もない四方を一瞥し、ふむと一呼吸置いた。

ジジイは座らせてもらおかの。
どっこいしょ。
さすがに慄き飽きた半鬼半人生、大人しく図太くがモットーである。

(回想終わり)