
「お!ちょうどいい質問が来たな。
そんじゃ、ロジェクリフ領の事を軽く話してやるとすっか」

「さっきも言ったが、妖精の里って呼ばれてる。
が、ここに住む妖精は一般的なそれとはちょいと違うらしい」

「妖精って聞くと、こんくらいのサイズだって思う奴も居るが」
──両手を上下に置き、大体20cmくらいの高さを示しながら。

「うちの妖精は大体こんくらいだ。妖精にしちゃデカいらしいが、俺からすりゃぁこっちが一般的だ」
──右手を床からおよそ1mほどの位置に、掌を下に向けて。

「……だからって俺の性癖が歪んでるとか思わねぇでくれよ!?
俺は小さい子が好きなんじゃ無ぇ、愛した女が小さかったってだけだかんな!?」

「……こほん。俺の尊厳のためにもこれだけはハッキリさせとかねぇとな。
そう勘違いされると俺は困るし、ミリィも悲しむ」

「ともあれ続きだ。ロジェクリフ領は、それそのものが独立した小世界みたいなもんでな?
異世界と繋がっちまって変なトラブルが起きることも珍しくは無ぇ」

「その解決に武力が必要っつーときに働くのが、妖精だったり妖精術士だったり。
元々、ロジェクリフの妖精自体が外敵から土地を護るための存在だしな」

「幸いなのは、異界と繋がるゲートとでも言うべき場所が妖精の森のド真ん中にあるって点だ。
森にゃ神樹があちこちにある。お陰で俺たちが余程ヘマしない限り、領民に被害は出ねぇ」

「まぁ、とりあえずそこを中心として東西で分割統治されてる。東側はロジェ家、西側はクリフォード家。
何で分割されてんのかは知らねぇが、別に仲が悪いって訳じゃないから安心してくれ」

「俺はどっちかってーとクリフォード家と馴染みがあってな?
あそこにゃ、俺が魔術を教えた狼の姫さんが──」

「……っとと、話が脱線しかけた。
姫さん……クインティーナ様の事は機会があれば聞かせてやんよ」