Chapter01-04

記録者: 空木 颯斗 (ENo. 59)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:01

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「では観察対象。それを踏まえて、次の問いです」


シャッターは下りないまま、
ただピントを合わせるようなジジ、という小さな音だけが聴こえてくる。

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「あなたの価値観を測ります。
 ──あなたにとって譲れないものは何ですか?
 自由でしょうか、信頼でしょうか、愛情でしょうか、それとも秩序でしょうか 」

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「その理由も含めて説明してください。
 対象や状況が変わった時、
 あなたの答えはどのように変化するでしょうか?」


──あなたは自らの価値観をどのように認識していますか?

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「譲れないもの、とひとえに考えても即座に思いつかぬ場合もあるでしょう。
 自由、信頼、愛情、秩序、誇り、忠誠、知識……無数の選択肢が考えられます。」


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「当機は観測を第一義として設計されています、
 どのような思考をせど、必ず『観測』という目的を前提に持ちます。

 これは精神的価値としての『誇り』や『忠誠』とは異なります。
 しかし、機能としての観測が揺るぎ得ない前提であるという点では、
 それらに類する不変性を持つと言えるでしょう」


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「思考の前提、当然と感じている事、
 それこそ、先の思考を組み立てる際に自らが重視したものを改めて噛み砕くと良いのやも知れません」


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「回答は単一である必要はありません。
 譲れない価値の間で揺れる感情や葛藤も、重要な要素です。
 必要に応じて検討を続けてください」

Answer
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「え?」


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「う~~~~~~~~~~ん…………??????」

随分首を捻っている。

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「……え? 無いかも……?
「いや、あるはずなんだけど。ごめんね拙者自己分析苦手侍で……」

おまけに自認も変である。

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「まあ……今持っているもの全て譲りたくはないでござるよ。
 所持品はまあ別として……あ、普通にこないだ当選したのはやらんでござるが」

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「ほら、今いる場所とか友達とか仲間とか……そういうのは譲れないと言えるのかも。
 回答として適切な形にするのであれば、環境関係でござるか?」




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「いくらそう思っていたトコで抵抗の余地もなく奪われれば譲れないもクソも無いんでござるけどね。
 意地張らないで諸行無常と思っていた方がダメージは少ないと思う……」

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「いや~執着するモノなんて少ない方が絶対良いに決まってるんでござるわ!
 諦めが悪い分どんどん苦しむし……僕は苦しむ側の人間だからど~しょうもないと思ってるでござるよ~?」