
「……思考実験の類でござるかぁ~~?
そういうの職場で全パターンやったんじゃないかって……いや、アンタに言っても仕方ないけど」
その質問については、なんともまあ、仕方なさそうに口を開くのであった。
幾分か最初よりは肩の力が抜けたふうに。

「まあ基本……基本は助けるんじゃなかろうか、とは思うでござる。
さっき夜鷹の討伐云々言ったでござろ? まあ、拙者はその討伐やってる機関にいる訳なんでござるけども……」
「普通に民間人の救助も兼ねてるんでござるわ。だからでござるね」

「ま、予想できる損害にも依るでござるかね。
命と引き換えに助けなきゃならないってんならちょっと迷い所ではあるかな~……立場的に。
助けなきゃなんない人間だったら多分迷うことなく突っ込む事にはなるとも思うでござるけどね」

「そうでなかったら本当は見て見ぬフリしたいところでござるけど。
まあ、周りに誰もいないなら……」

「体質的にも環境的にもこっちの大怪我は治せるでござるし。
目の前で不愉快に死なれてそれが夢に出てきたりする方が嫌かも~~……」
少年は別に性格が良い方ではなかった。
人の命の行く末を『愉快』『不愉快』で判断するくらいには。