Chapter01-05

記録者: 翡翠 (ENo. 2)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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  ──カシャ


シャッターの音の後、あなたを向いていたレンズがふと向きを変える。
何か未知のことを認識した様子で、その後にまたあなたにひとみが向いた。

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「観察対象、最終質問を提示します」


この対話の終端が近いようだ。
不思議な白い部屋での対話は、何の説明もなく始まり、そして終わるらしい。

奇妙な観察者は感慨もなく告げ、一拍。

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──あなたは、何をもって“自らの存在に価値がある”と判断しますか?


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「それは役割でも、使命でも、功績でも構いません。
 また、価値は不要であるとする見解も有益な観測結果となります。

 あなた自身が、どの基準で己を“肯定”し、
 何をもって“無価値”とせずにいられるのか。

 その価値に他者を如何にして組み込んでいるのか、
 その内的構造を、開示してください」


──あなたは自らに〝どのような価値〟があると認識していますか?

 
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「当機は、あなたの答えを推論する事はできても──
 代弁する事はできません
 故に此度は、 あなた自身の言葉で語られることを要求します」
Answer
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「私の価値ですか……難しいですね、考えた事もありませんでした。」

「まだ治癒術師としては見習いですが実は学校の成績上は結構優秀なんです。この間の定期テストは全体でトップでしたから。」
「……これだけでも術師の卵としての価値はあると言えるかもしれません、何十年の一度の天才だなんて自惚れる気はありませんけれど、これまでも頑張ってお勉強をして先生に何度も褒められる位には結果を出してきましたから。」

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「でも世間的には世間知らずのただの裕福な小娘ですかね……?」

「普通は幾ら才能があるからってこんなに宝石を用意して貰えはしませんから、親の七光を受けただけのただの子供と思われるでしょう。」
「だからこれから価値を探すことになると思います。今は……ちょっとだけ優秀な事が私の価値、かもしれません。」