Chapter01-05

記録者: クラリティ・マークスマン (ENo. 6)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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  ──カシャ


シャッターの音の後、あなたを向いていたレンズがふと向きを変える。
何か未知のことを認識した様子で、その後にまたあなたにひとみが向いた。

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「観察対象、最終質問を提示します」


この対話の終端が近いようだ。
不思議な白い部屋での対話は、何の説明もなく始まり、そして終わるらしい。

奇妙な観察者は感慨もなく告げ、一拍。

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──あなたは、何をもって“自らの存在に価値がある”と判断しますか?


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「それは役割でも、使命でも、功績でも構いません。
 また、価値は不要であるとする見解も有益な観測結果となります。

 あなた自身が、どの基準で己を“肯定”し、
 何をもって“無価値”とせずにいられるのか。

 その価値に他者を如何にして組み込んでいるのか、
 その内的構造を、開示してください」


──あなたは自らに〝どのような価値〟があると認識していますか?

 
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「当機は、あなたの答えを推論する事はできても──
 代弁する事はできません
 故に此度は、 あなた自身の言葉で語られることを要求します」
Answer
「存在の、価値……」

……あまり好きなトイカケではない。
しかし答えなければ。

己の価値とは?

狙撃の腕……これは確かな価値だろう。
だけれど、僕は、僕自身は……これに重きを置きたくない。
……そう思えるようになったんだ。

では、優しさは?
友や先輩に褒められた優しさは価値になり得るか?
……いや、これも価値にはしたくない。
それが僕の価値だから優しくする……そんな事にはなりたくない。

「価値、は……」
「まだ……わかりません…………」

俯いた視線を少しだけ上に戻す。
今はこの回答で精一杯だ。

「…価値は…不要、とも……言い切れません………」

己の未熟さをひしひしと感じる。
喉が詰まって、上手く話せない。

けれど話さねば、語らねば。

友達のおかげでおしゃべりが好きになったのだ。
話す事に好意的になれたのだ。

「……わからない、……これが僕の……答え、です……」