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記録者: フェルヴァリオ (ENo. 64)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

白い部屋に置かれた机の上、
他の器具よりもやけに存在感を主張しているのが──
淡い緑色の液体が入った小瓶の列だった。
濃淡の違う緑が、規則正しくラベル付きで並んでいる。

フェルヴァリオは火を調整しながら、ちらりとその瓶たちを見る。

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「……兄貴の話?」

ぼそりとした声。
しかし口元にはかすかに苦味が混じる。

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「この緑のは、あの“くそでかのっぽ”の。」

軽く瓶を指で弾くと、液面がゆらりと揺れた。

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「締め上げるのは得意なんだよ、アイツのこと。
 体格差があるとか言われても── 結局、タッパがあるだけで鈍いから。」

兄の姿が脳裏に浮かんだのだろう。
フェルヴァリオは淡々と言うわりに、明らかに慣れた調子だった。

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「黄金りんごを作ってもらわなきゃ困るのにさ。
 “向こうの担当”のくせして、仕込みを後回しにして……。」

ぐつぐつ、とフラスコの液体が音を立てる。
その音に紛れるようにフェルヴァリオは呟いた。

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「……大人になるのだけは嫌がるんだよ、あの人。
 背だけ伸びて中身は子どもみたいで。」

かき混ぜ棒を動かしながら、
まるで言い訳するように肩をすくめる。

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「兄貴たち、全員そう。
 竜のくせに妙に精神年齢がねじれてるんだ。
 ……オレだけが苦労するんだよ、ほんと。」

そう言いながらも、その声にはどこか慣れ親しんだ気配があって──
心底うんざりしながらも、嫌いではないような、微妙な温度があった。

白い部屋の空気は相変わらず静まり返っている。
その中でフェルヴァリオの声だけが、炎の揺れる音と混じり合うように淡々と落ちていく。