
「難しい質問ですね、私はちょっと普通では無いので……」
彼女は少し困ったように考える。見習いとはいえ治癒術師はどうやら普通では無いらしい。
「まず普通の人は術を使えません。えっと……他の世界だと魔術とか呪術とかって呼ばれるのでしたね。私の世界ではそういうのは全部纏めて術って呼ばれるんです。」
「そもそもあなたのような人間で無い方が居ないのです。正確に言うと言葉を話せる人間以外の種族が居ない、ですね。私は過去に他の世界に行ったことがあるので慣れてますけど……もし公に存在するとなったら大騒ぎになっちゃいます。異世界の存在もほとんどの人が実在するとは思ってませんので。」
「家庭用人形?そういうのは私の世界にはありません。もしかしたら人形を操れる人が個人的に使っている可能性はありますけれど普通は自分達や人によってはお手伝いさんが家事をしています。かなり家庭差があって水の術を使える人はお洗濯とかお風呂の用意は楽ですし……火の術を使える人はお料理とか暖房の用意がお手軽です。私の家は特に家事に役立つ術を使える人が居ないのでお手伝いさんに大体の家事は任せていますね。」
「あ、ご飯は1日3食朝とお昼と夜に食べます。朝に起きて夜に寝る、そんな人が多いです。」
「お仕事は徒歩で行くか術で動かす公共の大型車、個人で車を持ってる人もたまにいますが基本的に使えるのは術師さんだけですから、本当にたまにですね。転移術を使える人ならそのままひとっ飛びですけどこれはもっともっと少ないです。」

「世界の形……そういえば私の世界も球体とは聞いた事がありますけれど、本当にそうなのでしょうかね?少なくとも普段から気にしてはいません。お空には夜には星が輝いていて、月は一つだけ見えます。」
「1週間が7日?世界によっては色々変わるのですね。私の国では1週間は9日ですし、その国によって変わります。そのうち3日がお休みになるのが普通らしいです……治癒術師はそのように休めない事も多いのですけれどね。」