
「……」
譲れないもの。
自らの主・皇帝に対する忠誠も、確かに大切なものだ。
軍人としての務めがあるとはいえ、今の自由な暮らしも、確かに悪くない。
新たに得られる知識も、その都度自らの成長を実感でき、喜びを感じる。
だが、それら全て、譲れないものと表現するには、少し違う気がした。
自らの根幹。
譲れないもの。

「これから生まれる子らに、かつての私のような暮らしをさせない事。
今そういう暮らしをしている者に、少しでも早く手を差し伸べる事。
誰もが、理不尽な命の危機に晒されず、生きていけるような世界にする事。
そのために力を尽くす事が、私にとって譲れないものだ」