Chapter01-05

記録者: ふるる (ENo. 45)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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  ──カシャ


シャッターの音の後、あなたを向いていたレンズがふと向きを変える。
何か未知のことを認識した様子で、その後にまたあなたにひとみが向いた。

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「観察対象、最終質問を提示します」


この対話の終端が近いようだ。
不思議な白い部屋での対話は、何の説明もなく始まり、そして終わるらしい。

奇妙な観察者は感慨もなく告げ、一拍。

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──あなたは、何をもって“自らの存在に価値がある”と判断しますか?


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「それは役割でも、使命でも、功績でも構いません。
 また、価値は不要であるとする見解も有益な観測結果となります。

 あなた自身が、どの基準で己を“肯定”し、
 何をもって“無価値”とせずにいられるのか。

 その価値に他者を如何にして組み込んでいるのか、
 その内的構造を、開示してください」


──あなたは自らに〝どのような価値〟があると認識していますか?

 
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「当機は、あなたの答えを推論する事はできても──
 代弁する事はできません
 故に此度は、 あなた自身の言葉で語られることを要求します」
Answer
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「あはは、また難しい質問するんだね」


価値、価値かぁ……なんて、少し俯き加減でぽつりぽつりと呟いて。
頭を傾げてみたり、真っ白い部屋の天井を見上げてみたり。

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「私自身の価値を示せと言うならば、私の国ではさぞかし価値のある存在でしょう。
母は大国の女王ですから。
政治的に使える存在……それも一つの私の価値」


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「なーんて真面目なお話しちゃった!
ふるるはこーんなに可愛いんだから、それだけで十分じゃないかなっ!」


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「でも、ふるるは自分にはこれだけの価値があるよって思うより。
誰かに君はこれだけの価値があるって認めてもらえる方が嬉しいかな」


自分が石ころなのかダイヤモンドなのか。
それは本当の自分を見つけてくれた人が決めればいい。
そんなお伽噺をまだ夢見てる。