
「急に別ベクトル、しかも難しい話題を振るもんだな」
笑みこそ浮かんでいるが、どう答えたものかと思考している。

「僕の本分としては助けたいという意思が真っ先に出る。そして、僕に損害が出るならリスクを考えるだろう」

「永続的に響くような…雑に言うと治らない、治りにくい大怪我とか、そういう対価が必要なら迷いも出るな」
ぼんやりと何もない上を見上げて思考を続ける。
暫くして向き直ると再び口を開く。

「僕の職業は一応魔法連盟…国を魔物や犯罪者から護ることだ。だから本当は迷っちゃダメなんだけどな」
なんて苦笑い。
国の自衛機関のような職業だと言う。

「だからこの異能とか、魔力とか呼ばれる力を、何があっても護りたいもの全部護る為に鍛えてきた」

「だから、問題は損害の方向かも知れないな。例えば犯罪者を助けてしまったとか」

「ま、命に関わるなら助けるかも知れないし、犯罪の手助けならしない。判断する時間があるならそれを見極める」