Chapter01-Fin

記録者: "□□の□□"、其の道中 (ENo. 124)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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「……回答を確認しました」


観察者は淡々と処理を続けているように見えるが、
どこかそれは“耳を傾けている”仕草にも似ていた。

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「当機の観測は、これにて終了します。
 記録は保存され、分析は後続機へ引き継がれます」


レンズがわずかに光を収束させ、あなたを見据える。
無機質なガラスに感情は映らない、
ただそれは淡々と観測を続ける機械でしかない。ずっと。

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「あなたが何者であるか──その定義は、あなた自身が決めるものです。
 当機はただ、それを観測したという事実のみを残します」


──そうして白い部屋がじんわりと、輪郭を失っていく。
まるで夢から醒めるように。


──そう。きっとこれは夢だった。


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「……観察対象。これにて接続を断ちます」



ガラス玉のような声が、虚空の中で響いていた。


ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
──そう。きっとこれは夢だった。



ふ、と、顔を上げる。

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「……、あぁ」

視界が、空間が。
世界が解けて夢から醒めていく感覚を、覚える。

どうやら此の自分は、そろそろ終わる目を醒ますのだろう、と。

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「……長々と付き合わせて済まなかった。
 そして……有難う、オブザーバー殿」

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「普段の私は、"悪夢"を多く視るから……
 今回は、気分転換になって、楽しかったよ」

何処か、力の入らないような笑顔を。

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「…………」

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「もしも、今回の夢が、縁に成るのなら……」

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「…………」



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「……いや、止めておこう」

ゆるく、頭を振って。

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「オブザーバー殿、どうか息災で。
 私も……まだ、頑張るから……」



――"さようなら"、という、最後の挨拶は。
告げる途中で、姿と共に、解けて消えたのだった。