
「……うーん、観測機ねえ……」
「まあ、そういうのも居る、か……」

「オッケー、良いよ!どうせならお前に付き合おう!
よろしくなオブザーバー!
俺の名前は劉 浩然!ハオランで良いよ!」
じっと観察されていたのはお互い様。
カメラ頭を繁々と眺めていたかと思えばパッと笑って名乗り始めた。
握手でもしようかと今にも身を乗り出してきそうな笑顔であるものの、
青年がその場から、座った椅子から少しも動くことはない。
ただ、あからさまに友好的な顔をしてカメラ頭を眺めている。

「しかし機械人形か〜俺のトコではみなかったな〜
所謂カラクリってことだろ?すげ〜良い出来じゃん」

「……ってごめんごめん!こういう言い方は良くないか!
気を悪くしないでくれよ、侮蔑の意はないんだ!
なんていうかちょっと驚いただけで……」
丁寧な態度の相手に対して青年はひどく自然体のようだ。
そう、自然体の"よう"である。
青年がカメラ頭に近付くことは、目を真の意味で逸らすことは一切ない。
明るく、まるで自身の素を曝け出すように話しているが、
その瞳のようなレンズには警戒の色が確かに写っているだろう。

「えーと、それで識別情報……だっけ?
なんて言ったら良いんだろ別に特別な存在じゃないんだ。
俺はただの、普通の人間なんだよね〜」

「お前のところにもいる?普通の人間。
と言ってもどうみても出身世界が違うし、
お前のところの普通には当てはまんないかもだけど!」
まあ兎も角そう言った感じだよ、と青年は笑う。
ただの劉浩然という名の人間である。
これ以上のことを青年はカメラ頭に語る気はないようだ。
さらに情報を要求した場合、おそらく青年は人間について語るだろう。
どういった理由で製造された機械かを語った相手に倣って、
人間の両親から生まれた人間の子供だということだけを。

「……。」
「……他になんか、聞きたいことでもある?」
青年は質問を続けるように促した。
依然として明るく、友好的な調子のままで。
そして、それでいて相手を推し量るような光を目に宿したままで。