―― 後日。永遠夢境の森、魔女の家にて。

「―― ワン・オラクル。
―― オープン・ザ・カード 『Ⅲ.THE CHARIOT』」

トラレ
「―― コール! サモン『セヴェンタ・ザ・チャリオット』!」

セヴェンタ
「ふははははははは! 私に触れるとは実に運がいいな!」

セヴェンタ
「―― 戦車、セヴェンタ。お前に絶対の勝利をくれてやろう!
逆位置だがな!!」

トラレ
「あ、ううん。戦わないの今回」

セヴェンタ
「は? 戦わない? 戦いの場に私が連れていかれない?」

セヴェンタ
「ふっ」

セヴェンタ
「ならば今すぐ私を戦いの場に連れ出すがよい!
魔物でも首でも今日の夕食でも何でも獲ってこようぞ!」

セヴェンタ
「因みに私は今日の夕食はミネストローネの気分だ!!」

トラレ
「いや、記録のお話を聞きたくって」

セヴェンタ
「記録! 私は今日もここで元気に息をしているぞ!
魔女様もこの私の姿を拝みたくなったか!」

セヴェンタ
「ふははははは!! ならばとくと私を見るがいい!
なに、遠慮はいらない。何故なら私はセヴェンタだからなぁ!!」

トラレ
「―― コール。サモン『エヌ・ザ・ハーミット』」

エヌ
「何でよりによってこの流れで僕を呼ぶの!! 逆位置で!!」

トラレ
「私は白い部屋での出来事の記録に関して聞きたかっただけなんだもん」

エヌ
「見事に不要な過労を証明されてるし、
僕の逆位置で記録を聞くという頑固さも証明されてる……」

エヌ
「……うん。白い部屋での出来事、記録されてる」

トラレ
「やっぱり。夢だったとしても、夢の魔力を持つ私にとっては現実と大差ないのよね。
だから夢から覚めたとしても忘れることはない。アルカーナムも然り。
天啓による魔力消はあった?」

セヴェンタ
「私は何もなかったぞ!!」

トラレ
「呼ばれなかったからねぇ」

セヴェンタ
「つまり何もなかったということだ!!」

エヌ
「ちょっと黙っててくれない?」

エヌ
「……うん。消費されてる。
けど、契約ってわけじゃないし、質問に答えるだけだから、ほんのちょっとだけ」

エヌ
「記憶もある。応えたって情報がある。
……天啓に任せないでティオールを呼んだらよかったのに」

トラレ
「だって、天啓に任せた方が楽しいと思ったから……」

エヌ
「その結果僕も魔女様も苦労してる!
必要ない苦労! ティオール呼べば話は早かったのに!」

トラレ
「うーん、でもティオールは記憶機関の中枢を担っているから、
アルカーナムが保有した記憶には一番アクセスしやすいのよね。
だから、ティオールではない誰かに聞いてみる方が理にかなっているのよ」

トラレ
「あなたたちも『思い出せる』のであれば、通常通りの占いが行われたということ。
そのいい証明になったということだし。ね?」

エヌ
「……それはそう、かもだけど」

セヴェンタ
「黙ってるの飽きた」

トラレ
「早い」

セヴェンタ
「エヌ! 行くぞ! 森を駆けまわって狼はこたつで丸くなれ!」

エヌ
「じゃあ僕を連れていかないでよああぁああああああぁぁぁぁぁ……!!」

トラレ
「……いや、聞きたいことは聞き終えたからいいんだけど」

トラレ
「……ふふ、でもあの『問いかけ』、なかなか楽しかったわね」

トラレ
「ここに来る人たちが少ないから、魔力も飽和状態にあるのよ。
だからお互いの利害は一致している。占うことで、魔力を消費できるから」

トラレ
「またあのお部屋に接続される日を待っているわ」